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MRIで法的判断のメカニズムを探る

掲載日:2019年9月23日

このシリーズでは、未来社会協創推進本部(FSI)で「登録プロジェクト」として登録されている、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する学内の研究活動を紹介していきます。

FSIプロジェクト 031

 

医療の現場で脳や臓器の腫瘍、胸椎・頸椎のヘルニアなどの検査・診断に用いられているMRI(磁気共鳴画像法)ですが、太田勝造教授ら研究チームは、この手法を社会における行動や判断の分析に応用するという、他に類を見ない実験プロジェクトを進めています。

その一つは、人が法的判断をするとき、事実の認知と感情にどのように影響されるかを脳の活動から解明しようとするもの。司法試験の有資格者とそうではない一般市民、それぞれ20~30人を被験者にして、架空の殺人事件裁判のシナリオに沿って「有罪か無罪か?」、「量刑はどのようにすべきか?」といった法的判断をする際の脳の状態をMRIで測定し、両者の脳のはたらきを比較するのです。法の専門家とそうでない人との間に違いが生じた場合でも、逆に生じなかった場合でも、法的判断の専門性と脳のはたらきとの関係について新たな知見がつけ加えられることになることが期待されます。

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赤線で示しているのは、被告人が有罪か無罪か判定する際に賦活(活性化)が見られた部位。

「強調しておかなければならないのは、法的判断の思考プロセスをモデリングして法律家の仕事をぜんぶAIにまかすことを直接の目的とした実験ではないということです。目指しているの は、人間が行う法的判断を分析することで法の信頼性をどのように維持していけばよいのかを探ることです」と太田先生は実験の目的について説明します。

こうした実験のほか、太田先生の研究チームは人間と犬の間に脳内物質オキシトシンを介した特別な社会的関係があることを解明した麻布大学の菊水健史教授の協力を得て、千葉県にある八街少年院での犬の訓練プログラムを対象に研究を行なっています。すでに多くの国の少年院や刑務所で、犬のトレーニングを行うことが参加者の社会的復帰や再犯防止に役立つことが知られています。

このように、法学・政治学が分野横断的にさまざまな自然科学の知見を取り入れる時代はすでに訪れているのです。

このプロジェクトが貢献するSDGs

平和と公正をすべての人に働きがいも経済成長も人や国の不平等をなくそう

太田勝造 教授(取材当時、現名誉教授)、加藤淳子 教授、浅水屋 剛 助教 | 法学政治学研究科 先端融合分野研究支援センター

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