東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

白い表紙にグレーのアウトライン、赤い帯

書籍名

有斐閣アルマ Specialized 国際法 第3版

著者名

中谷 和弘、 植木 俊哉、河野 真理子、森田 章夫、山本 良

判型など

416ページ、四六判、並製カバー

言語

日本語

発行年月日

2016年3月

ISBN コード

978-4-641-22063-8

出版社

有斐閣

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国際法 第3版

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本書は、国家間関係をはじめとする国際関係の基本的なルールであり、国際社会の「背骨」ともいえる国際法についてわかりやすく解説した共著のテキストである。「国際○○法」と言ったとき皆さんは○○に何を連想されるであろうか。ここには、海洋、航空、宇宙、サイバー、安全保障、経済、金融、環境、エネルギー、人権、人道、スポーツなど様々なものが入りうる。カバーする範囲が最も広い法学、それが国際法である。さらに、各種の条約に共通のルールである条約法、国際法違反の法的帰結についてのルールである国家責任法といった共通問題も国際法の重要な主題である。国際法はまさに国際社会の「共通言語」(lingua franca)である。また、国際感覚という言葉はいろいろな意味で使用されると思うが、真の国際感覚は国際法の正しい理解なしには身につけられないであろう。
 
海洋の秩序を乱す国家や核実験・ミサイル発射を繰り返す国家が近隣に存在し、安全保障環境が非常に厳しい今日、「国際社会における法の支配」を強調することは極めて重要である。国際政治や国際経済の解説は多いものの国際法の箇所については怪しげな記述も散見されるので要注意である。例えば、「大使館には治外法権がある」という表現は、今日においては正しくない。国際法は、外交官にとって最も重要な「武器」であるが、外交官の専売特許では勿論ない。グローバル化した21世紀を生きる我々すべてにとっても不可欠な「武器」、それが国際法である。
 
我が国においても国際法のテキストはいくつも存在する。同じ時期に研究室で国際法を学んだ我々が10年以上前に本書 (第1版) を執筆した際に心がけたことは、オーソドックスでありながらも無味乾燥なものにならないようにすること、独学者にもわかりすい記述にすることであった。過度に抽象的な記述にならないようにし、限られた紙幅の中で最新の具体例を可能な限り挙げる工夫を凝らしたつもりである。17個のコラムも掲載して楽しんでもらえるようにした。本書は幸いにも版を重ね、2016年には第3版を刊行することができた。
 
国際経済法、国際人権法、国際環境法といった国際関係の各分野 (上記の国際○○法) に関心のある方も、まずは国際法全般について勉強することが不可欠であり、本書はその橋渡しの役割も担っている。
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 教授 中谷 和弘 / 2017)

本の目次

第1章  国際社会と国際法
第2章  国家と国際法
第3章  国家機関
第4章  国際組織と国際法
第5章  国際法の存在形態
第6章  条約法
第7章  国際法と国内法
第8章  国際法上の責任
第9章  陸の国際法
第10章  海の国際法
第11章  空と宇宙の国際法
第12章  人と国際法
第13章  国際刑事法
第14章  国際経済法
第15章  国際環境法
第16章  紛争の平和的解決
第17章  武力・経済力の行使と国際法
第18章  武力紛争・軍備管理の国際法