Race to Zero参加を受けてCOP26で学生対話イベントを開催
国連気候変動枠組条約(UNFCCC)事務局のRace to Zeroキャンペーンに東京大学が参加したことを記念して、11月5日に、英国グラスゴーのCOP26会場(日本パビリオン)と東京大学の学生らをオンラインでつなぎ、学生同士の対話セッションが行われました。藤井総長、石井理事も参加し、カーボンニュートラル実現に向けた大学の役割について、活発な論議が行われました。東京大学の学生だけではなく、国連大学や海外の大学に所属する学生など、オンラインでは約30名、現地の会場でも多数の学生等が参加しました。
冒頭、藤井総長から、東京大学が気候変動対策に向けた取組みを加速しており、その一環としてRace to Zeroキャンペーンに参加したことが紹介されるとともに、学生や若者の主体的な活動が重要であり、今回のイベントを若い世代をこの取組みに巻き込むきっかけにしたいとの思いが述べられました。参加者からは、気候変動対策において若者が重要な役割を果たせること、また、大学でGX(グリーン・トランスフォーメーション)を推進するためにはその構成員の参加が重要であり、特に、大学の中における最も大きな構成員である学生間、そして学生と教職員のコミュニケーションを強化する必要があることが指摘されました。また、2年前に開催されたCOP25では大学がこのようなイベントを主催することがまれであったが、今回東京大学がこのような学生間の対話イベントを開催したことは大きな進歩であるとの意見がありました。藤井総長からは、「対話は私が先日発表した新しい基本方針UTokyo Compassにおける重要な理念の一つである。GXに関しても、学生と大学の対話の機会は積極的に作っていきたいと考えており、学生の取組みを後押しするか、または多様なバックグラウンドの学生をGXに向けた活動に巻き込むために良いアイディアがあれば提案してほしい。」との発言がありました。参加者からは、気候変動対策に関する大学としての方針を明確に示すとともに、大学としての取組みを学生にも見えるようにすること、大学執行部と学生との対話を定期的に行うなどコミュニケーションの機会を増やすことなどの意見が出されました。
最後に、進行を務めた石井理事から、「対話の中にイノベーションを生み出す機会があり、それによって信頼も生まれる。グローバル・コモンズを守るには皆で協力しなければならず、そのチャレンジは始まったばかり。若い世代の今後の活動に期待したい。」とのコメントがあり、藤井総長から参加者への感謝が述べられて終了となりました。
本イベントは、今後東京大学でGXを推進するための重要な一歩となりました。