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日本独自の技術でCO2を沖合の海底下に貯留

掲載日:2019年9月2日

このシリーズでは、未来社会協創推進本部(FSI)で「登録プロジェクト」として登録されている、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する学内の研究活動を紹介していきます。

FSIプロジェクト 025

液化したCO2を船で運ぶメリットは、火力発電所や製鉄所など大規模CO2排出源のほとんどが海の沿岸に立地していることや、海上交通・漁業・レジャーなどで利用度の高い沿岸海域で建設工事が不要なこと。

地球温暖化は急務の課題として、今や世界全体の共通認識。日本政府は、CO2 (二酸化炭素)などの温室効果ガスの排出量を2030年までに26%、2050年までに80%削減することを目指しています。そして、その中期から長期目標への橋渡し技術として期待されているのが、新領域創成科学研究科の佐藤徹教授らの研究チームが進めているCO2回収・貯留(CCS)プロジェクトです。

CCSとは、石炭火力発電所や製鉄所などで大量に排出されるCO2を回収し、地球環境に影響を及ぼさない方法で貯留する技術のこと。気体であるCO2を液体にすると500~600倍の密度に凝縮されるそうですが、これを船で沖合まで運び、深海底の下の水が及ばない地層に貯留するのです。CO2を貯留する場所がなぜ陸地ではなく、海なのかという問いに、尾崎雅彦特任教授はこう答えます。

「石油や天然ガスなどのエネルギー資源を採掘できる国では、回収したCO2を採掘場の地中に戻せますが、エネルギー産出国ではない日本にはその場所がありませんので同じ技術が使えないのです。仮に陸地に似たような場を求めたとしても、貯留した地層の上の住民の理解が得られないばかりか、日本の土地事情ではパイプラインの建設などに多大な費用がかかります。そこで、日本独自の試みとして沖合の深海の海底下をその目的地とし、効率的なシステムの開発や環境影響評価手法の研究を進めています」。

佐藤先生によると、すでに北海道・苫小牧の沖合で実証実験が行われ、CO2が安全に貯留されているかを検知する手法を検証している段階です。佐藤先生や尾崎先生らが新たに開発した技術は、世界の温暖化対策に有益な一歩を踏み出すきっかけになることでしょう。

このプロジェクトが貢献するSDGs

気候変動に具体的な対策を海の豊かさを守ろう

佐藤徹 教授、尾崎雅彦 特任教授、など | 新領域創成科学研究科

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