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“誰一人取り残さない”安全な水供給システムを目指して

掲載日:2020年11月25日

このシリーズでは、未来社会協創推進本部(FSI)で「登録プロジェクト」として登録されている、国連の持続可能な開発目標(SDGs)に貢献する学内の研究活動を紹介していきます。

FSIプロジェクト 039

ネパール農村で実施した水利用実態調査の一風景。集落の共同水汲み場から運んだ水で洗濯をする様子。水道インフラが整備されておらず、同じ水を飲用にも利用している

水は、人間にとって生命維持に欠かせないもので、安全な水へのアクセスは基本的人権のひとつと考える、と語る都市工学専攻の小熊久美子准教授。2010年頃、紫外発光ダイオードが市場に流通し始めたのと同時に、これを用いた浄水装置の開発に携わってきました。

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国内の過疎集落で行った紫外発光ダイオード浄水装置の実証試験

「装置の原理は、水に紫外線を当てることによって、感染症の原因となる微生物の遺伝子に傷をつけ、人体に入っても増殖しないようにすることです。それ以前は、水銀紫外線ランプを用いた浄水装置が一般的でしたが、紫外発光ダイオードには水銀の流出リスクがありません。しかも、3mm角程度の粒状の素材ですので、小型化が可能というメリットがあります」

この研究に加えて小熊先生が行っているのが、東南アジアの途上国の水問題に関する研究です。水道インフラが整備されておらず、飲み水を地下水などでまかなっている地域だけでなく、経済成長と人口集中が進んでいる都市部でも水道インフラの整備が追いつかないために水問題が起こっているといいます。

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小熊先生が開発したリング式のUV-LED水消毒装置の試作品。管路に取り付けて水を消毒することができる

「SDGsは『安全な水とトイレを世界中に』という目標を掲げていますが、達成目標年の2030年までに世界中のすべての地域に水インフラを整えるのは不可能に近いでしょう。そこで、大規模集約型の水道ではない、集落ごと家庭ごとに水処理をする小規模分散型の水供給システムが、水アクセス向上を迅速かつ強力に推し進めるために重要な役割を担うと考えています」と小熊先生。

水問題は、途上国に限りません。人口減少が進む日本でも、一部の地域では、水道インフラを運営している地方公営企業の経営は悪化し、メンテナンスが遅れているという問題があります。もしかすると、小熊先生が提案する小規模分散型の水配分システムは、こうした国内の問題を解決するための最適解にもなるかもしれません。

このプロジェクトが貢献するSDGs

すべての人に健康と福祉を安全な水とトイレをみんなに人や国の不平等をなくそう住み続けられるまちづくりを

小熊久美子 准教授 │ 工学系研究科

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