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Go Global ― ポスト・コロナ時代の「ニュー・グローバル」に向けて

東京大学 理事・副学長 林 香里

東京大学の学生のみなさん、
2021年度が始まりました。
2020年度は、東京大学にとって、全学交換留学プログラムの募集・開催を中止、Go Global東大留学フェアもオンライン開催という、かつてない決定をする年となりました。この1年は、国際化を推進・奨励してきた教員職員一同にとって、まさに苦悩と落胆の日々でした。しかし、もっとも落胆されているのは、大学に入学して、さあこれから海外に留学しようと楽しみにしていた学生の皆さんだと思います。大学生のみなさんにとっては、この1-2年の制限期間は永遠のごとく長く、途方暮れている方もいるのではないかと思います。

異なった生活習慣の体験、新しい友だちづくり、外国語の習熟、さらには興味深い研究テーマの発見など、若いうちの海外留学は、まさにライフ・チェンジング・エクスペリエンス。貴重で一生の宝ものです。しかし、世界の状況を見ると、まだ留学を一方的に推し進めることができません。今後、大学側は可能な限り情報収集をし、そのつど国際交流の方針を検討し、打ち出していくことになります。さらに学生さん一人ひとりも、これまで以上に世界の情報を収集し、世界でいま何が起きているのか、その中で何ができるかの主体的な判断をしなくてはならない状況に置かれることでしょう。グローバルな移動ができないとはいえ、一人ひとりがグローバルな情報をもとに、グローバルな見地での判断力を要求される時代になったとも言えます。つまり、私たちは、ポスト・コロナ時代の「ニュー・グローバル」を皆で考えていかなくてはならない地点に立っているわけです。

幸いなことに、東京大学では、2018年4月から「国際総合力認定制度(Go Global Gateway)」がはじまりました。プログラムでは、海外に出かけるだけでなく、東京大学で提供されている外国語による授業の履修や、新しい外国語を修学することも、国際総合力の一つと見なされます。東京大学のキャンパスは、意外なほどグローバル化しています。海外との交流は、しばらくはオンラインでのシンポジウムやワークショップとなりますが、ぜひ、こうしたオンライン交流などにも積極的に参加してみてください。また、この期間に外国語を習熟する努力をしてみてください。このほか、今後、留学を実現するための計画作りには、このGo Global ウェブサイトも定期的に訪問してください。来るグローバル化時代のステージに向けて、東大の留学情報を随時アップデートしていく予定てす。

教職員一同、パンデミックという世界共通の困難を切り抜けた人たちが、文字通り手をとり合い、共感し合い、心を通わせる「ニュー・グローバル」の時代が一日も早く訪れることを願っています。今はその日に向けて、学生さんたちの多様な形の「Go Global」のお手伝いをしたいと考えています。「ニュー・グローバル」に向けて、いま、ここでできる、そしてすべき「グローバル化」について、学生のみなさんとともに考えていきたいと思います。