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Go Global ―もう一度海外に向かって

東京大学 理事・副学長 林 香里

 2020年春から始まった新型コロナウイルスの世界的な蔓延は、東京大学の国際交流にも大きな影響をもたらしました。たくさんの対面プログラムが残念ながらキャンセルされました。
 コロナ禍の影響は続いていますが、ようやく対面の国際交流は再開しました。2022年秋には2年半ぶりに全学交換留学の学生を迎えることができました。派遣留学も全面的に始まり、本学の学生が世界の協定校で学んでいます。
 渡航制限期間中に始められたオンラインの国際交流も続いています。海外に行けなくても、自宅や教室から世界の人びとと交流することが出来るようになりました。
 異なった生活習慣の体験、新しい友だちづくり、外国語の習熟、さらには興味深い研究テーマの発見など、若いうちの海外留学は、まさにライフ・チェンジング・エクスペリエンス。貴重で一生の宝ものです。
 皆さんには今こそ、国際交流の機会を利用しながら、人やモノのグローバリゼーションとはどういうことか、世界中に深い亀裂と分断がみられるこの状況下、他者との対話と共感をいかに実現するかなど、21世紀の世界が直面する課題について主体的に考えて頂きたいと願っています。
 私たちは、いま、まさにポスト・コロナ時代の「ニュー・グローバル」の地点に立っています。そのなかで、東大は国外諸機関との交流を今後一層活発にしていきます。ぜひ多様なチャンスを利用して、グローバルな知識と感性を磨いてください。



ポスト・コロナ時代の新たな「グローバル」実現に向けて

東京大学副学長・グローバル教育センター長 矢口祐人

 2023年4月に設立されたグローバル教育センターは東京大学の学生の国際化を徹底的にサポートする組織です。
 私たちは「グローバル教育コンシエルジュ」として、全学部学生対象の国際総合力認定(Go Global Gateway)、短期国際研修や交換留学、キャンパスでの国際活動などを展開し、皆さんがグローバルな姿勢を磨くために必要な情報と機会をたくさん提供します。
 合わせて後期課程生向けに英語で行われる少人数授業「グローバル教養科目」を開講します。SDGs関連のテーマについて、英語で考え、英語で発表する力を鍛える授業です。
 これからの世界で活躍するには、現代の社会を区分するさまざまな境界(ジェンダー、民族、言語、宗教、国籍等)を理解する想像力と対話力が不可欠です。多様な他者の存在を意識し、ダイバーシティとインクルージョンの大切さと難しさを感じる必要があります。
 グローバル教育センターはそのための知識と感性を育むためにあります。センターが提供するGo Global情報(https://www.u-tokyo.ac.jp/adm/go-global/ja/)をぜひ活用してください。