留学経験者インタビュー

勉強・人間関係・・・学生生活の醍醐味の詰まったカナダ留学

氏名:S・Nさん
所属学部・研究科(留学開始時):経済学部経営学科4年
留学先大学名:ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)
留学プログラム名:全学交換留学
留学期間:2017年9月~2017年12月

留学を決めたきっかけは何ですか。

子どもの頃、親の転勤でイギリスのマンチェスターに住んでいました。高校のときは、ハワイでいろいろな海外からの高校が集まるサマースクールに参加したのですが、その頃から中長期の留学をしたいと思っていました。サマースクールで出会った人たちとその後もSNSでつながることができたり、日本に旅行に来たときにまた会うことができたりするのはすごく楽しかったからです。そういう人間関係を海外でしっかり築けるような、いろいろな人と一気に知り合えるような留学がしたいなと思っていました。

具体的な留学時期はどのように決めましたか。

大学に入ってからも、HPAIRというハーバード大学と一緒にやる国際学生会議に個人応募するなど、短期留学はしていましたが、打ち込んでいたサークルやゼミを考えると、長期で日本を離れるのは大変で、留学を引き延ばしていました。でも、いつのまにか卒業も目前になり、サークルやゼミも一段落したこともあって、社会に出る前の最後のタイミングだからこそ、半年だけでも留学したいと思って応募しました。

ブリティッシュ・コロンビア大学(UBC)に決めた理由はなんですか。

英語圏以外の場所も検討したのですが、半年間だと、新たな言語を習得するのには中途半端かなと思いました。英語圏にまず絞り、単位認定や卒業のための手続きのタイミングや試験時期も考慮した結果、北米地域に絞られました。私の場合は、とにかく留学に行きたいというのがまず強い気持ちとしてありました。それで、Go Globalのウェブサイトに掲載されているデータを見て戦略をたて、UBCは立地や世界ランキングも良く、採用枠も比較的多かったという理由で、この大学に決めました。

かなり戦略的に応募したんですね。留学の申し込みも就活の時期と重なっています。

やはり4年間で卒業したかったからです。卒業は1年間遅らせても良いと親には言ってもらっていたのですが、やはり友達と一緒に卒業したい思いがありました。留学が終わった今振り返ると、結婚や出産前の時期が一番働けるのは確かですから、キャリアの中で、一番働ける時期を一年間遅らせることへの不安はあったと思います。

実際の留学生活はいかがでしたか。

寮生活で各ユニット6人ずつという感じではあったのですが、私は日本では実家暮らしだったので初の一人暮らし!という解放感がありました(笑)。私のこれまでの海外経験上少し意外だったのは、東大と同じように授業に出席し、授業が終わったら普通に帰る人が結構多かったことで、思ったより人間関係が淡泊だな、という感想を初めは持ちました。UBCが特殊なのかもしれないですし、プログラム参加学生ではなく、向こうの学生に一時的になるという全学交換留学の特性なのかもしれないですけど。

授業はどのような感じでしたか。

講義形式の授業が基本ですが、学部によってはチームやグループワークがメインの授業もあったので、そういう授業ではとても密な人間関係を築き、仲良くなれました。たとえば経営系の授業では、企業をピックアップしてリーダーシップを論じるグループワークをしました。ビジネスレビューを読んで、成功するリーダー像についてプレゼンする、といった内容です。実は授業の内容自体はそこまで東大とは変わらなかったと思います。ただ、驚いたのは成績評価です。東大経済学部は基本的に試験のみですが、UBCではほとんどの授業でレポートなどの宿題が毎回あり、期末試験だけではなく中間試験もあり、全てが同じくらいの重み付けで評価されるので、当時はコンスタントに勉強をしていましたね。英語で授業を受けてレポートを書くのはやはりハードなことでした。

学業以外の生活面はいかがでしたか。

楽しかったです。スポーツなど、健康的なレクリエーションが気軽にできる環境でした。私は戦略的に金曜日を全休にして、同じようなスケジュールの友だちと、暖かいときはビーチに行ってのんびりしました。どこも海に囲まれていて綺麗なので、フェリーでちょっと離れたところの島に行ってハイキングもしました。寮の友だちの部屋で鍋パーティーやピザパーティーもしました。大学に大きいスケートリンクが3面ほどある施設があって、料金も安かったのでスケートにはよく行きました。スキー場もバスで一時間くらいです。サークル活動は習い事のようなスタイルだったことがイメージと違ったので、参加していませんでした。

就活を終えてから留学をしたというめずらしいパターンですが、どう振り返りますか。

就活中に悩んだことが活きるような過ごし方や履修をしようと思って留学し、実際にそうできたと思います。ボストンキャリアフォーラムで内定をすぐに獲得する日本人学生もいたのですが、情報源がどうしてもインターネットの二次情報になるし、フォーラムに来る企業数の総数も少なくなります。だから、日本で自分の目を通してしっかり就活をしたことはとてもよかったと思います。自分の進路がある程度決まって卒業単位もほぼそろえていると、最後の半年をよりよいものにすることだけに専念し、留学経験を純粋に楽しむことができました。

ブリティッシュ・コロンビア大学は留学先としてどういう点でおすすめですか。

治安が非常に良いです。キャンパスは壮大で一つの街のようで、海外ドラマに出てくるようなキャンパスライフを楽しめました。あとバンクーバーは料理がおいしいです。西海岸なのでアジア人の移民が多くて、アジア系フードがとてもおいしいです。自然の豊かさも魅力です。あとUBCには歴史ある日本人コミュニティがあって、UBCの正規学生の日本人とも仲良くしてもらいました。日本人同士がつながる機会が豊富でそれはとても安心できる点です。でもそれは裏返すと、アジア人と欧米人とでコミュニティが分かれてしまう側面もあります。でも、疎外感を感じるほどではありませんでした。留学生割合やジェンダー、国籍の点でも多様性がありました。

今後留学を考える方にメッセージをお願いします。

迷ったら行った方が絶対にいいと思います。いろいろな人と一気に知り合えて一気にいろいろな体験ができる貴重な機会です。寮でずっと一緒に生活したルームメイトなど、留学後も続く友人と出会えました。日本における留学の壁は語学力がまずあると思いますが、試験は試験とわりきって、大学が要求するスコアを満たして、留学先でコミュニケーションを学べばいいと思います。行けば、絶対できるようになりますから。あと海外ドラマはある程度英語を学んだ人にとっては、英語力向上に役立つと思いますよ。