第19回ホームカミングデイONLINEのご報告

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2020年10月17日(土)第18回東京大学ホームカミングデイは完全オンラインで開催しました。コロナ禍の中、オンデマンドやライブ中継で参加した企画総数は51プログラム、校友会登録団体は約25プログラムでした。ご協力いただきありがとうございました。また、特別フォーラムの冒頭、「コロナと東大生たちの200日」と題した記録動画を上映しました。

Homecoming Day

講演会「特別フォーラム」

毎年10月の第三土曜日に実施している  ホームカミングデイですが、19回目を迎えた今回は、初めて全面オンラインでの開催となりました。例年のようにキャンパスに来て触れ合うことはできませんでしたが、多くの卒業生や教職員の皆さんの尽力により、例年よりもかなり多い数のイベントが開催されました。
安田講堂で行われた特別フォーラムでは、ウイルス研究の最新知見、感染症の歴史と社会との関係、想定外の危機への対応という視点から、3人の先生が講演しました。

特別フォーラム

河岡先生は、本物の新型コロナウイルスと4種類のマスクを使い、吐き出す側から吸い込む側へ飛沫がどの程度到達しているのかを計測するという最新の実験結果について紹介。吐き出す側と吸い込む側でマスクの効果を比べると、前者がマスクをつけた場合のほうが感染を防ぐ効果がより高いという注目の事実が示されました。

河岡先生
小野塚先生

小野塚先生は、農耕牧畜の進展から始まった細菌・ウイルスと人類の関係史を解説。14世紀の黒死病の影響でルネサンスや宗教改革が起こったと考えられることや、第一次世界大戦時には捕虜が書く手紙が媒介となってスペイン風邪が敵国へ伝わった可能性があることまで、当時の様子を伝える図版類をまじえて紹介しました。

玄田先生は、パンデミックを含めた危機にどう対応すればよいのかという観点から、社会科学研究所の「危機対応の社会科学」プロジェクトを踏まえ、社会における危機の発生メカニズムと、その対応策としてのブリコラージュという考え方を紹介しました。

玄田先生
司会の藤垣先生

司会の藤垣先生が言葉の意味の補足を促すと、「藤垣さんが家に遊びに来ることが決まっているとして、藤垣さんの好きな料理の材料を仕入れ、調べたレシピに沿って料理してもてなすのがエンジニアリング。たまたまその辺で出会った藤垣さんを家に呼んで、冷蔵庫にある人参や豚バラなどありあわせのもので料理を作ってもてなすのがブリコラージュ」と実にわかりやすく例示し、会場に納得感が広がりました。

  • 特別フォーラム

    特別フォーラム

    今回の特別フォーラムでは、未曽有の事態を引き起こしている新型コロナウイルスをテーマにします。医療現場・研究開発現場の最新の状況と今後、人類が経験してきた大規模な感染症の歴史と社会に与えてきたインパクト、想定外の危機への対応という3つの視点から迫ります。

特別フォーラム 登壇者

ご登壇いただいた方々をご紹介いたします。
  • 玄田 有史氏

    玄田 有史氏

    東京大学社会科学研究所教授

    1988年東京大学経済学部卒業、92年同大学院経済学研究科第II種博士課程退学。学習院大学経済学部教授を経て現職。専門は労働経済学。著書に「希望学」(共著)、「希望のつくり方」、「危機対応の社会科学」(共著)、「地域の危機・釜石の対応」(共著)ほか。
  • 小野塚 知二氏

    小野塚 知二氏

    東京大学経済学研究科教授、東京大学アジア研究図書館長

    1981年東京大学経済学部卒業、87年同大学院経済学研究科第II種博士課程単位取得退学。東京大学社会科学研究所助手、横浜市立大学商学部助教授を経て現職。専門は近現代西洋社会経済史、イギリス労務管理史・労使関係史、第一次世界大戦史、兵器産業史など。
  • 河岡 義裕氏

    河岡 義裕氏

    東京大学医科学研究所感染症国際研究センター長

    1978年北海道大学獣医学部卒業、80年同大学修士課程修了、83年獣医学博士取得。St. Jude Children's Research Hospital, Tennessee にて教授研究員、ウイスコンシン大学獣医学部教授の後、東京大学医科学研究所細菌感染研究部教授、感染・免疫部門ウィルス感染研究分野教授を経て現職。
  • 藤垣 裕子氏

    藤垣 裕子氏

    東京大学大学院総合文化研究科教授

    1985年東京大学教養学部卒、1990年総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。東京大学助手、科学技術政策研究所主任研究官、東京大学准教授を経て2010年より現職。専門は科学技術社会論。著書に「専門知と公共性」「科学者に社会的責任」など。

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