『古在由直史料目録』

 この史料目録は、1996年に古在由秀名誉教授から東京大学史史料室に提供された、第10代東京帝国大学総長(1920~1928年)を務めた古在由直(1864~1934年)の関係史料を中心とした情報について、はじめて目録化し掲載するものである。本学にとって、古在由直総長は関東大震災以降の大学復興と発展に貢献した人物であった(中野実「元総長古在由直関係資料」『東京大学史史料室ニュース』第17号、1996年)。
 1979年3月、『東京大学百年史』編纂にあたっていた東京大学百年史編纂室(作成:彌永千代子)が、『歴代総長年譜 第二部』(東京大学史史料目録5)のなかで、『古在由直博士』(1938年)などを参考にしながら、古在由直の年譜について3項にまとめている。本目録においても、本部事務局広報課及び農学部総務課の確認を今回経て、修正を加えて上記の略年譜を掲げている。
 本学創立130周年を迎えるなかで、歴代総長が果たした役割をあらためて考察・検証する今日的な意義はきわめて大きいと思われる。来るべき『東京大学百五十年史』編纂も長期的な視野に入れ、東京大学史の分析・考察を円滑に進めるため、東京大学史史料室のプロジェクトとして、「東京大学戦前期の総長関係資料の基礎的調査及び研究」に着手し始めている。『渡邊洪基史料目録』(2005年)とともに、本目録はその作業成果の一部である。
 このたび、東京大学史史料室から『古在由直史料目録』を刊行し、学内外の関係機関に本目録を配布することによって、一部の本学関係者にとどまらず、農学史・教育史・大学史などの学術研究者や地域社会運動団体等に幅広く寄与することが期待できるであろう。社会に開かれた本学の姿勢とも重なるものである(寺﨑昌男『東京大学の歴史 大学制度の先駆け』2007年)。
 なお、本目録の作成実務については、古在由直史料の原典照合を瀬川大(教務補佐員)が、データの遡及入力を柏木恵美(事務補佐員)がそれぞれ担当し、実務責任者は谷本宗生(専任室員)が務めた。
 

2007年3月
東京大学史史料室
 

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