蔵出し!文書館 第2回

蔵出し!文書館
収蔵する貴重な学内資料から
140年に及ぶ東大の歴史の一部をご紹介
 
 

第2回 デジタル化された公文書綴

 近代日本の高等教育や教育政策の歴史については、いまでも明らかになっていないことが多くあります。戦前期の資料が、関東大震災で消失するなどして、文部省(現文部科学省)内では失なわれてしまったからです。
 東京大学の前身である大学南校・大学東校と文部省の間では、同省が1871年に設置されるとともに文書が交わされはじめました。それらは、公文書綴『文部省往復』として東京大学文書館に保存されており、2013年には重要文化財として指定を受けています。
 今春から、デジタル化によって、このコレクションにアクセスすることが、今までより容易になりました。昨年度完了した科研費プロジェクト「文部省往復を基幹とした近代日本大学史データベース」(代表:吉見俊哉)では、明治期分137簿冊のデジタル・アーカイブ化を行ない、資料のデジタル画像と目録を作成しました。歴史の研究者だけでなく、学内外の誰でもがインターネットを通じてこの貴重なコレクションを利用できるようになったのです。このデジタル・アーカイブには、今後さまざまな機能が付け加えられ、成長しつづけることになっています。
 『文部省往復』には、東京大学の校舎に関するもの、いわゆる「お雇い外国人」の待遇を含む人事に関するもの(図版はE・モースの待遇に関する文書です)、万国博覧会に関するもの、学生生活に関するものなど、じつに幅広いトピックの文書が含まれています。さらに文書館の収蔵庫には、関連するさまざまな歴史資料の原本があります。『文部省往復』のデジタル・コレクションから出発して、みなさんも歴史資料の海に漕ぎ出しませんか。わたしたちは、歴史探求の水先案内のために、みなさんをいつでもお待ちしています。

(文書館特任助教・宮本隆史)

今回の蔵出し資料
「文部省往復」(もんぶしょうおうふく)

「米人モース氏帰国ニ付給料前渡ノ件」1877年10月9日(S0001/Mo022/0060(133丁))
大森貝塚の発見で有名なエドワード・モースがアメリカに一次帰国した際に、給料を前渡しすることが書かれた文書です。
→『文部省往復』デジタル・コレクション(https://uta.u-tokyo.ac.jp/uta/s/da/document/6c8f9acc3b4a1a0e8ca33196721fca2d

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