蔵出し!文書館 第12回

蔵出し!文書館
収蔵する貴重な学内資料から
140年に及ぶ東大の歴史の一部をご紹介
 
 

第12回 五月祭のはじまり

 毎年5月に本郷地区キャンパスで開催されている五月祭。五月祭のはじまりはいつだったのでしょう。
 五月祭の起源は、今から95年前、大正12(1923)年5月5日に行われた新入生歓迎会を兼ねた学友会大会の大園遊会です。その当時の写真を当館所蔵の卒業記念写真帖の中に見ることができます(F0025史料室アルバム)。この日のことについて『東京大学百年史 通史二』に、「この日は「午前中は各学部を解放し、従来他学部の者には窺い知られなかった機械や、参考品を一般学生に観覧させて、学生相互の知識の交換を図り」(『学士会月報』四二三号、二八頁)、正午から学生大会を開催して学生の自治問題を討議し、午後三時から園遊会に移った…」とあります。この園遊会は現在の御殿下グラウンドで行われました。
 大園遊会は大懇親会や全学解放など改称の後、昭和8年開催の第10回からは「五月祭」という言葉が大学新聞上で使用されるようになりました。
 毎年行われている五月祭は、今年第91回を迎えますが、過去に4回の開催中止を余儀なくされました。昭和3年(主催者である学友会解散のため)、昭和19・20年(戦時中のため)、昭和44年(東大紛争の影響のため)です。実は、昭和21年にも五月祭と思われる催事が行われており、その様子も『帝国大学新聞』に記事が書かれていますが(5月25・26日に行われた五月祭は講演会、演劇、音楽会、展覧ではアダム・スミス文庫やソ連事情写真展など、7千人に上る来学者があったと昭和21年6月1日の記事にあり)、なぜか回数にカウントされていません。なぜ回数にカウントされなかったのか、その当時の資料やパンフレットがあれば何か分かるかもしれませんが、残念ながら見つけることができませんでした。
 当館では五月祭のパンフレットの一部を所蔵していますが、欠号もあるので、ご寄贈いただけるパンフレットをお持ちの方は、ぜひ当館までご連絡ください。

(文書館事務補佐員・村上こずえ)
今回の蔵出し資料

〔法学部卒業記念写真帖〕 大正13年4月(F0025/S01/0009) 
右上写真

五月祭のパンフレットの一部

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