株式会社オービックビジネスコンサルタント 代表取締役社長 和田 成史 様

第4回ゲスト

shigefumiwada



株式会社オービックビジネスコンサルタント 代表取締役社長

和田 成史 様

日時: 2012年5月17日(木) 19:00~21:00
場所: 伊藤国際学術研究センター3階 特別会議室(本郷キャンパス)
http://www.u-tokyo.ac.jp/ext01/iirc/access.html
ゲストスピーチテーマ: 「人は思ったとおりに生きる -知恵と勇気- 」

紹介

1952年8月30日生まれ。75年3月、立教大学経済学部卒業。
80年に公認会計士・税理士登録。同年12月に起業し、代表取締役社長に就任。
会計パッケージシステム「勘定奉行」をはじめとする基幹業務システム「奉行シリーズ」は中堅中小企業を中心に幅広く導入されている。
ERPパッケージ「奉行V ERP」はシェアードなど、グループ企業単位でのシステム採用としても注目されている。
(社)コンピュータソフトウェア協会(CSAJ)会長。

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【関係リンク】
株式会社オービックビジネスコンサルタント http://www.obc.co.jp/

報告


思ったとおりに生きる、必然性によって生きる。思いが大事と伝えたい。
人生の中で決断のときというものがある。学校で習う知識を使って、どう活かすのかということは知恵であり、その知恵を使ってリスクを判断し、決断をするときは勇気が必要となる。

企業30年説によれば今年は節目である。会社の創業をみればその会社が分かるということで、創業の話をしようと思う。

1.専門学校講師、2.コンサルタント(自動車メーカーや化粧品会社など、在庫圧縮などアドバイス)、3.アルバイトで監査の仕事をしたが、自分で何かをやってみようと突然思い立ち、コンサルタントの仕事を選び、創業することとした。

ちょうど、PCが出てきた時代であり、会計業務が加速的にコンピュータ化されていることを感じていた。資本金500万円で会社を興したが、経費が月150万円とすると3カ月でからになるので、月150万円以上稼ぐビジネスをこれから考えよう。すぐに秋葉原に行って買ったPC向けの表計算ソフトを使い、機能を付加してタテヨコ集計の集計表を作ろうと思った。アプリケーションソフトのアイデアと大きな設計は出来た。

3人の東大院生バイトに協力してもらって、2~3カ月で設計した。当時、PCが出来たばかりでアプリケーションソフトがなかった。こうして完成したときは「簡単ソフト」として雑誌に取りあげて貰い中吊り広告にも出た。独占権がほしいと言ってきた企業があり、最初3億と言ってきて、最終的には、8,600万円になったが、これが今で言うベンチャーファンド。皆には、お金を持ってやめたほうが良いと言われたが、次のソフトを開発しようと考え、皆さんの先輩である東大院生を15人に増やし新しい会計ソフトウェアを作った。これが「勘定奉行」の第一号で、今から30年前のことである。

その当時、当たり前だが、8,600万円が毎月減っていった。開発に1年かかったが、資本金がつきる前に商品ができて、800万円以上稼げばいいという見込みで、4人の営業で頑張り収益をあげた。2月がキャッシュフローのターニングポイント。12月の時点で金庫をあけてみたら200万円あった。ボーナスを出したらほとんどゼロに!1月の給料の支払いができない。4,000万円銀行から借金をすることになり、親に保証人になってもらってしのいだ。
振り返ると、会社の本当の設立は、このゼロになった年だと考えている。ビジネスにはこういう転換点がある。下がっていくときは不安と恐怖だった。会社のビルから夏祭りの様子が見えるが、来年も同じ場所で夏祭りがみたいと思った。30年間の中で7回の試練があった。

そのうちの1つが、社員の使い込みだった。あなたが社長だったらどうするか考えてみてほしい。そのときは悩みに悩んでやめて貰った。話をした後1時間涙がひたすら止まらなかった。意識ははっきりしているのに不思議なほど涙が出た。
経営する者は、全て自分が最終責任者であり、自分の後ろで責任を取ってくれる人は誰もいない。

その後、社員がどんどん増えていき、50人全員中途採用ということもあった。いろんなバックグラウンドがあり社長として組織をまとめるのに悩むこともあった。単なる集団ではなく組織でなくてはいけない。誰に責任を任せてどういう組織をつくり、どういう戦略を立てるのか。戦略とは組織であり、役割分担と協力が大事である。また、ものづくりで大事なことはチームワークである。そしてチームワークの良し悪しは、プロジェクト責任者、もっと言えば、プロデューサーで決まる。プロデューサーはモノづくり以外にも目を配り、お客様を見続けて、これだったら売れると判断しなければならない。

悩みもいろいろな経験をして変わっていく。将来、何をしようか、自分は何が得意なのか、何が売りかということを考えているとアイデアが生まれてくる。
今、何をやっているかというと、「スマート社会構想」である。ビジネスでなくても社会貢献になるアイデアがある。自分はアメリカに100回いった。英語圏のほうがビジネスになるのかもしれない。

皆さんは、是非、色々学び、経験して考えて欲しい。大企業にいてもベンチャー心を持って欲しい。日々転換していく世の中で、知恵と勇気が必要である。
日本は将来に希望がないというが、鍛えられることで成長していく。ビジネスもいい思いをしていると必ず下がるときがきて、ラリーゲームのようなもの。いい時期と厳しい時期、先進国のなかでも勝ったり負けたりする。ラリーゲームだから、一度きりの人生、挑戦していくのが良いのではないか。

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