キャンパス周辺案内

東京大学のキャンパスのまわりはどんな街?
キャンパスから徒歩圏内で出会えるモノ・ゴトをピックアップ。
「東京で学び、東京で暮らすこと」の輪郭が見えてきます。

文化財の豊富な文教の地―本郷(1)

歴史的趣のある町並み

東京大学赤門が面する本郷通り

東京大学が本郷の地にその一学部を設け創設したのは1876年(明治10年)。
このあたりは江戸時代(1603年-1868年)には大名の江戸屋敷が置かれた武家地で、周囲には伝通院、根津神社などの寺社が創建されて次第に町が形成されていきました。東京大学赤門が面する本郷通りは、江戸時代に整備された五街道の一つ「中山道」の一部です。「中山道」は、東京の日本橋から京都の三条大橋までを、主に海沿いを行く「東海道」とは対照的に内陸を通って結ぶ街道で、本郷の街道筋には早くから商家が立ち並び、商業活動が行われました。

本郷キャンパス周辺地図

本郷の周囲には、南側には東京大学の前身のひとつとされる江戸幕府直轄の学校「昌平坂学問所」(現在の湯島聖堂)や梅の名所「湯島天神」、北東方向には谷中の寺町と寛永寺、南西方向には大名庭園である「小石川後楽園」など、他にも古くから開かれた場所が徒歩圏内に点在し、それぞれに趣のある町並みを形成しています。

日本の近代文学発祥の地

菊坂界隈文人マップ

東京大学創設以降、本郷は学問の府、学生の街として広く知られるようになりました。周囲には他にも続々国立大学・私立大学が開校。明治時代から大正時代にかけては、森鴎外、夏目漱石、坪内逍遥、樋口一葉、石川啄木、宮沢賢治など日本の近代文学を代表する多くの文人たちがこの地に住み、数々の作品を遺しました。その旧居跡やゆかりの地には文学碑が立てられおり、今もそれらをたどって文学散歩を楽しむことができます。

本郷キャンパスの住所である東京都「文京区」という行政区名は、このような背景から名付けられたものです。太平洋戦争の際に幸いにも戦災の影響をあまり受けなかったため、歴史ある学校や神社・仏閣、古い町並みが比較的多く残り、都心でありながら落ち着きのある、文化的、知的な雰囲気に満ちています。

「文化の森」に遊び、花に憩う―本郷(2)

本と寺町― 「谷根千」エリア

寺院

ではちょっとキャンパスの北東方向へ降りてみましょう。
西片門か弥生門から出て、本郷キャンパスの北を横切る言問通りを東へ、ゆるい坂を下るように下りたところ、地下鉄根津駅のある交差点の北側は、別名「不忍ブックストリート」。不忍通りと付近の路地に新刊書店や古書店、図書館、ブックカフェがあります。
このあたりは地域の名前(谷中、根津、千駄木)の頭文字をとって「谷根千」と呼ばれ、JR日暮里駅方面へ向かう下町情緒あふれる商店街「谷中銀座」や、都内では数少ない寺町があります。 路地や急な坂道の合間に、「寺院の屋根の下に谷中の町がある」(台東区教育委員会の解説による)といわれるほどたくさんの寺院があり、その数70以上。
本郷キャンパスから徒歩圏の寺町、迷い込んでみてはいかがでしょう。

美術館・博物館を擁する桜の名所―上野公園

上野公園の桜

地下鉄根津駅のある交差点を挟んで「不忍ブックストリート」の反対側は、日本を代表するミュージアムの集結する「文化の森」、上野公園のあるエリアです。本郷キャンパスから直接向かう場合、一番近いのは池之端門から出て、不忍通りを渡るとすぐ目の前が上野公園。
不忍池の蓮池などを眺めつつ公園の中へ進むと、大噴水のある区画に隣接して「国立西洋美術館」「国立科学博物館」「東京国立博物館」「東京都美術館」があり、様々な企画展や世界的な巡回展、常設展を通して国内外の美術や文化財、自然史・科学技術史研究の成果に触れることができます。
園内には日本で最初の動物園である「上野動物園」もあり、重要文化財・旧寛永寺五重塔があるなど、自然と触れ合いながら文化的好奇心を満たせる素晴らしい公園です。
建築好きの方は美術館・博物館の建物にも注目してみてください。

上野公園はまた、江戸時代からの日本を代表する桜の名所としても有名です。毎年3月下旬から4月上旬にかけて、桜の咲くシーズンにはたくさんの人が「お花見」に訪れ、春の訪れを祝い楽しむその人出は日本一と言われています。ライトアップされた「夜桜」見物も風情があります。

四季折々の花散歩

日本では季節ごとに様々な花を楽しむことができます。主なものをあげると、初春~春(2~4月)の梅・桜・つつじ・藤、初夏~夏(5~8月)の花菖蒲・あじさい、秋~晩秋(9~11月)の紅葉など。その名所が他にもいくつか徒歩圏内にあります。

最初にお勧めしたいのは「小石川後楽園」。江戸時代初期(1629年)、水戸徳川家の中屋敷(後に上屋敷となる)の庭園として造られた「回遊式築山泉水庭園」で、国指定特別史跡・特別名勝に指定されています。湖や山、川、田園などを模した景観の中に、梅、桜、つつじ、藤、花菖蒲などが植えられていて、四季を通じて様々な花を大名庭園らしい趣のある景色とともに味わうことができます。

湯島天神の梅、根津神社のつつじなどもよく知られ、それぞれ開花時期にはお祭りも開かれます。 鑑賞だけでなく観察ができるのは、日本最古の植物園「小石川植物園」。正式名称は東京大学大学院理学系研究科附属植物園、東京大学の教育実習施設ですが、一般にも公開されており、梅や桜、つばきやつつじなどそれぞれ多数の品種が育てられています。花に煙る景色も美しく、秋の紅葉も人気があります。
でも紅葉なら、このどこよりも盛観なのは、本郷キャンパスの銀杏並木でしょう。黄金色の銀杏の葉に埋め尽くされる美しい光景をぜひ見て欲しいです。

エンターテインメントと日々のショッピングスポット―本郷(3)

「TOKYO DOME」とその周辺

東京ドーム

「小石川後楽園」に隣接して、巨大スタジアムやコンサート会場として有名な「東京ドーム」があります。
プロ野球チーム・読売ジャイアンツの本拠地ですが、収容人数5万人という規模は屋根のある施設では日本最大級ということもあり、海外ビッグ・アーチストの来日公演が開かれることも多くあります。アメリカンフットボールやプロレスなどの巨大スポーツイベントの会場にもなっています。
「東京ドーム」の周りにはショップやレストラン、スパ、観覧車やジェットコースターなどのアトラクションがあり、リフレッシュ向きの複合テーマパークになっています。

お買い物するなら

本郷三丁目駅前

毎日のちょっとした買い物に便利なコンビニエンスストア。本郷キャンパスのまわりにも数10軒のコンビニが年中無休24時間開いていますが、実はキャンパスの中にも24時間営業のコンビニが3軒あります。「100円ショップ」の形態のお店もあります。

もうちょっとお買い物したいときは春日駅周辺の白山通りへ。世界の食材も豊富に扱う老舗百貨店系列の高級スーパーや、ディスカウントストア、100円ショップなど。路地を入ると大手食品スーパーもあります。

公共的な利便性も高く、銀行も複数あります。最寄りの郵便局は本郷通りを挟んで向かい側です。医療機関も充実しています。
最寄り駅は、東京メトロ丸ノ内線・都営地下鉄大江戸線本郷三丁目駅、東京メトロ千代田線湯島駅、同 根津駅、東京メトロ南北線東大前駅、都営地下鉄三田線春日駅の5駅。地下鉄の駅構内、駅周辺ともに1日を通して治安はよく、心配なく出かけることができます。

地元感覚で渋谷の先端エリアへも ―駒場

駒場キャンパス周辺地図

渋谷から京王井の頭線各駅停車で2駅、3分。駒場東大前駅で降り、東大口出口の階段を下りると、目の前が駒場キャンパスの正門です。電車移動が便利すぎて付近を散策する学生の姿はあまり多くはないですが、実はいろいろな楽しみがあります。

渋谷へも、炊事門を出て道なりに徒歩で向かうと、渋谷が「谷」であることも実感できて楽しいです。

キャンパスの北東側、神山町付近から代々木公園駅にかけての一帯は、近年、カジュアルながら良質なビストロやバル、「サードウェーブ」と呼ばれるこだわりのコーヒースタンドが増えていて、渋谷から流れてくる高感度の人たちに人気のある面白いエリアです。
代々木公園では毎週末イベントやフリーマーケット、フリーコンサートが開かれていて、特にアジア各国の国際的なイベントやお祭りはお国料理や食材を売る屋台が並び、伝統芸能の披露もあって大変な人出があります。

落ち着きのある周辺環境

駒場キャンパスのある一帯は、明治期には東京大学農学部などの前身にあたる駒場農学校があった所で、駒場Iキャンパスと駒場IIキャンパスの間にその跡地の一部が「駒場公園」として残っています。公園の中にはイギリス・チューダー様式の洋館が美しい国の重要文化財「旧前田家本邸」や、日本近代文学・現代文学に関する資料を展示する「日本近代文学館」があり、文学館のブックカフェ「BUNDAN」では、著名な作品に出てくる食事の再現メニューなども提供されています。 また、公園の南側には、伝統的工芸品を主に収蔵展示する「日本民藝館」があります。松涛にある陶磁器専門の「戸栗美術館」と合わせて見学するのもよいでしょう。

また、駒場キャンパスの北を東西に走る道は、かつて沿道に東大航空研究所(後に東大宇宙航空研究所、現・宇宙科学研究所)があったことから、航研通り、コスモス通りと呼ばれていました。近年はカフェやパン屋さん、自家焙煎コーヒー店、マニアックな食材店などがぽつぽつと誕生していて、再び注目のエリアになる兆しも。

反対にキャンパスの南側の東大前商店街とその周辺は、付近に高校が複数あることもあって、定食屋さんや中華屋さん、ラーメン店など、お店も地元密着型。郵便局やコンビニもあります。
でも商店街の西の端には、遠くからわざわざ買いに来るひともいる気鋭のパン屋さんもあって、この両面性もいいですね。

ライヴと演劇の街、下北沢

下北沢東会

ぎりぎり徒歩圏だけど駒場東大前駅から電車に乗れば渋谷とは逆方向に2駅、3分の下北沢。私鉄沿線らしいそれほど大きくない街に、収容人数100~600程度の小・中規模のライブハウスが15軒、100席以上の小劇場が6軒も集まっています。
毎年2月には下北沢演劇祭、7月には下北沢音楽祭も開かれます。
また、下北沢には、中型・都市型の食品スーパーマーケット、コスメ、ドラッグストア、個性的な本屋や雑貨屋、古着屋、古道具・古家具・アンティークショップなども多数あり、買い物を楽しむことができます。

科学と先進のスマートシティ ―柏

柏の葉キャンパス駅前

柏キャンパスは東京大学の先端的な研究所・センター、新たに創設された新領域創成科学研究科、工・理学部の一部の研究室から成る歴史の新しいキャンパスです。その立地も、1980年代から1990年代にかけて新規に開発・整備された地域で、東京大学の他、千葉大学環境フィールド科学センター、科学警察研究所、国立がん研究センター東病院など国や千葉県の研究施設や機関が集積し、国土交通省の「IT EXPRESS構想」で「学術・新産業拠点」として位置付けられています。

一番近い駅・首都圏新都市鉄道つくばエクスプレス柏の葉キャンパス駅までの距離は1kmを超え、徒歩では25分ほどかかります。バスでの移動になりますが、柏の葉キャンパス駅の周辺は新しい街ならではの空気に満ち、大型の商業施設も整い、さらに開発が進められています。
東京大学柏の葉キャンパス駅前サテライトも駅のすぐ傍らに立地しています。

開発の中でも興味深いのが大手デベロッパーの進める「柏の葉スマートシティ」。太陽光発電システムと蓄電池などの電源設備とオフィスや商業施設などをネットワークでつなぎ、地域内のエネルギーを管理して相互に融通するスマートセンターを設置、省エネルギー・CO2削減の実現へ踏み出しています。スマートシティの機能は今後、街全域(約300万m2)へ広げられていく予定で、東京大学を含む柏の葉に立地する学術研究機関との協働による次世代の産業創造拠点の開発など、2030年に向けて新しい街づくりが進められています。

研究に集中できる環境

もうひとつの最寄り駅、東武鉄道野田線(東武アーバンパークライン)江戸川台駅へ通じる道沿いには、スーパーマーケットが複数あり、生活用品などが揃います。パン屋も2軒あります。道沿いの無人の野菜の直売所に並ぶ収穫したばかりの新鮮な野菜も、自炊する学生・研究者には嬉しいお買い物。
キャンパスの南側には千葉県立「柏の葉公園」が隣接、45ヘクタールの広大な敷地に芝生広場や桜の広場、樹木林、バラ園、花壇などがあり、四季を通じて豊かな自然を身近に感じられます。バーベキュー場もあります。

発展する街と適度な距離感を保ちつつ、研究に心行くまで専念できる環境がここにはあります。

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