総長講演会「タフな東大生」について


濱田総長講演会「タフな東大生」より
濱田総長から
以上が、今日だいたいお話したかったことですが、最後に一つ、皆さんに、課題を出しておきたいと思います。
皆さんはすでに知っていると思いますが、来年度の予算編成をめぐって「行政刷新会議」の議論が行われ、これからの国立大学の研究費や教育費が削減されるのではないか 、という危惧が広がっています。それに対して、ノーベル賞を受賞した研究者や、私も含めて多くの大学の学長が声明を出しており、マスコミでも取り上げられています。私は、この問題を、皆さんにもぜひしっかり考えてもらいたいと思っています。
それは一つには、大学予算の削減が、皆さんの教育環境、学生支援の環境に直截に影響を及ぼすかもしれないからです。自分に関係のあることを、ただ誰かがどこかで考えてくれるだろうということではなく、皆さん自身もしっかりと考えていくこと、「タフさ」を培っていくために必要なことです。
こうしたテーマは、皆さんがこれまで経験したことのない問題だと思います。
しかも 、どう解決していけばいいのか、見通しのつきにくい問題です。おそらくは、政府自身も模索している途中だろうと思います。一方では財源が大幅に不足しているので何とかしなければならない、他方で、大学予算等の削減が、日本の国の将来や若い人たちの未来に悪影響を及ぼすことは何としても避けなければならない。社会には、こうした、正解のすぐに見えない問題がたくさんあります。しかも、それらの難問は、しばしば皆さんにとって身近な問題として生じてきます。
今回の問題は、そうした社会の現実を垣間見る、そして、それを真剣に考えることによって皆さんの「タフさ」を磨いていく、一つのよい機会だと私は思っています。参考となりそうなデータをいくつか資料として配布していますので、それらを材料にしながら、ぜひしっかりと考えてみて下さい。配付資料:「予算削減によって懸念される学生生活への影響」[PDFファイル]
【関連記事】
・総長講演会「タフな東大生」
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/archive2009_j.html#tough
・学生相談ネットワーク本部ホームページ
http://dcs.adm.u-tokyo.ac.jp/2009/12/post-42.html