東京大学稷門賞
東京大学稷門(しょくもん)賞
本学は、平成14年度から本学に私財の寄付、ボランティア活動及び援助、寄附講座、寄附研究部門等により、本学の活動の発展に大きく貢献した個人、法人又は団体に対し、感謝の意を表すため「東京大学功績者顕彰制度」を設け、その功績に対し「東京大学稷門賞」を贈呈しています。(現に在籍する本学の教職員及び学生を除きます。) なお「稷門」とは、中国の戦国時代の斉(現在の山東省)の首都の城門の名前です。斉の威王、宣王が学者を厚遇したので、斉の都に天下の賢者が集まり、学問が栄えたという故事をこの賞の名称は踏まえています。稷門付近は「稷下」と呼ばれ、多くの学者が集まったことから、「稷下の士」という言葉も生まれました。(出典『史記』)
東京大学稷門賞受賞者(過年度の受賞者はこちらからご覧になれます。東京大学稷門賞受賞者一覧 (PDFファイル: 470KB) )
授賞年度 | 受賞者 | 授賞理由 |
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令和6年度 | 木村 克 様 | 同氏は本学の卒業生であり、母校への強い思いから個人として多額の寄附をいただいており、その内容は安田講堂改修、新図書館計画、工学系研究科研究室への支援と多岐にわたる。 さらに同氏は2018年に一般社団法人克を設立され、その定款において「東京大学大学院工学系研究科に在籍する若手研究者への奨学金・助成金の給付」を明確に定め、永続的に本学を支援する意向を示され、法人としても多額の寄附をいただいている。工学系研究科では、この寄附金を原資として「克研究奨励賞」を定め、若手研究者へ研究費として支給、これまで20名に同賞を授与している。この賞をきっかけとして若手研究者からスケールの大きい研究構想が数多く提案されており、実際に同賞の受賞者が文部科学大臣表彰 若手科学者賞を受賞するなど目覚ましい研究成果をあげている。このような永続的な寄附方法による若手研究者への継続的な支援をとおして本学の発展に大きく寄与されている点が評価された。 |
川上 量生 様 | 工学系研究科への寄附という形で、人工知能に関する人材育成に多額の支援をいただいた。このほか、約10年間にわたり、所属法人からの寄附(「グローバル消費インテリジェンス寄付講座」、「先端人工知能学教育寄付講座」)ならびにその他サポート企業のご紹介という形で継続的に支援をいただいている。同氏個人からの多額の寄附に加え、こうした講座の実現に向け呼びかけ人としても尽力され、本学の人工知能に関する人材や起業家育成に大きく貢献された点が評価された。 | |
Ban 平井(大越) 貞子 様 | 二度にわたり多額の寄附を薬学系研究科へいただいた。未だ海外で活躍する女性が少なかった時代に、同氏が米国で仕事をされた経験に基づく、これからの若い人が海外で活躍することを支援したいとのご遺志からの寄附である。この基金をもとに薬学系研究科では「Ban平井(大越)貞子基金 研究奨励賞」を設け、国際的な活躍が期待される本学の学生、若手研究者に対し留学やその準備、海外学術研究集会参加費用の一部助成など様々な学術活動を可能にする支援を行っている。加えて、ライフイベントのために研究上の困難を有する学生、若手研究者への支援を行うなど、人材育成への多面的な貢献が高く評価された。 | |
小山 冨士夫 様 | 2006年より18年間にわたり多額の支援を継続的にいただいている。支援の内容は、文科系、宇宙科学系、医学系、農学系から、スポーツ振興や奨学金といった学生支援系、安田講堂の改修支援といった設備改修支援に至るまできわめて多岐にわたる。本学が必要とする支援を、本学の要望に沿って適時に行ってくださり、幅広い領域において本学の発展に大きく貢献されていることが評価された。 | |
八十川 紀夫 様 | 2007年より200回以上にわたる寄附をいただき、継続的な支援をいただいている。支援の内容は文系/理系、教育/研究/大学の基盤整備等の区別なく多岐にわたり、能動的に寄附先プロジェクトを選んでくださることや寄附に際して添えてくださるコメントや応援のメッセージから、本学が社会的に価値ある活動を行うことへの期待と応援の意図が強く感じられる。また2023年には金地金を現物寄附いただいた。その価値は高く、かつ使途を本学に一任いただいており、本学の教育・研究全体の発展に長きにわたり裨益するものである。このように、多様な支援をとおして本学の教育研究活動の発展に大きく貢献された点が評価された。 | |
株式会社大和証券グループ本社 様 | 2008年の「大和証券グループ アジア留学生奨学基金」創設以来、海外大学からの短期インターンシップ受入支援、ミャンマーからの受入留学生支援など、国際化推進へ長年にわたり多額の支援をいただいてきた。また2016年からは「本郷テックガレージ」に多額の寄附をいただき、アントレプレナーシップ教育活動にも全面的な支援をいただいている。さらに、研究支援においても金融領域をテーマに2018年から社会連携講座を設置・更新いただいている。こうした幅広い支援をとおして本学の国際化推進及び人材育成に大きく寄与された点が評価された。 | |
株式会社ナガセ 様 | 2004年に本学が国立大学法人としてスタートするにあたり多額の寄附をいただいて以来、継続的に様々な支援をいただいている。支援の内容は、奨学制度、課外活動施設整備、寄付講座設置など多方面にわたる。また、大学への使途一任での多大な寄附もいただいており、産業界からの大学経営支援の寄附の先鞭となっている。こうした本学運営に対する深いご理解と教育研究活動発展への貢献が高く評価された。 |