東京大学稷門賞

東京大学稷門(しょくもん)賞

本学は、平成14年度から本学に私財の寄付、ボランティア活動及び援助、寄附講座、寄附研究部門等により、本学の活動の発展に大きく貢献した個人、法人又は団体に対し、感謝の意を表すため「東京大学功績者顕彰制度」を設け、その功績に対し「東京大学稷門賞」を贈呈しています。(現に在籍する本学の教職員及び学生を除きます。) なお「稷門」とは、中国の戦国時代の斉(現在の山東省)の首都の城門の名前です。斉の威王、宣王が学者を厚遇したので、斉の都に天下の賢者が集まり、学問が栄えたという故事をこの賞の名称は踏まえています。稷門付近は「稷下」と呼ばれ、多くの学者が集まったことから、「稷下の士」という言葉も生まれました。(出典『史記』)

東京大学稷門賞受賞者(過年度の受賞者はこちらからご覧になれます。東京大学稷門賞受賞者一覧 (PDFファイル: 470KB) )

    
授賞年度 受賞者 授賞理由
令和5年度 松岡 正樹 様 明治新聞雑誌文庫に対して、2004年から約20年にわたって、事前に綿密に調査・整理等を行った上で、計7600点以上の新聞・雑誌を寄贈いただいている。同氏からの寄贈資料は、法制史・政治史のみならず軍事史・宗教史等の諸分野で注目、使用されていることが窺われるほか、未発見・欠号・劣化等の資料に絞った効果的な寄贈が、アーカイブとしての文庫の利用価値を高らしめたといえる。長きにわたり本学の機関と対話をしながら、時間と私財を使って、学術研究の基盤整備に協力を続けてきた功績が高く評価された。
児玉 亨 様 2023年5月13日に開館した「鉱物資源フロンティアミュージアム ミネラフロント」の設立にあたり、重要な展示物となる1万点にもおよぶ鉱物標本の大コレクションと調査研究記録書類・学術図書の寄贈により多大なご支援をいただいた。寄贈された膨大かつ貴重な鉱物標本や書類群は、日本列島の地質・鉱床の特徴と研究・開発の歴史を如実に示すものとして一般に公開することにより、次世代の研究者・技術者の教育に大きく貢献するものである。加えて、今後の鉱床学・地球科学の学術研究にも大きく資するものである点が評価された。
小林 達夫 様 2005年からこれまで18年間にわたって「東京大学医科学研究所における医科学の研究」の支援を目的として多額の寄附を継続いただいている。医科学研究所附属病院ではこの資金を、日本造血・免疫細胞療法学会による施設認定の要件である認定移植コーディネーターの育成と雇用及び移植データマネージャーの活動資金に充て、同病院が上記学会認定施設として、非血縁骨髄移植及び臍帯血移植を行うことが可能となっている。さらに、世界的にも有数な移植成績を挙げ、80を超える臨床研究を報告してきた活動の維持に大きく貢献された。このように、本学が我が国における難治性造血器疾患治療の指導的役割を果たすために重要な貢献をされた点が評価された。
古賀 信介 様 同氏からは個人として過去15回にわたり多額の寄附を東京大学基金へいただいている。その内訳は東京大学フェローシップの原資の一部となる「古賀信介奨学基金」への寄附や本学が全学的に裨益する寄附等であり、いずれも同氏の本学への強い期待や応援意欲に基づくものである。
また「一般財団法人古賀信介学術財団」としても複数回・多岐にわたり寄附いただいている。同財団は東京大学への資金的支援を定款に掲げており、今後も本学ひいては日本の研究力の強化に資する分野への支援のご意向を示されているとともに、そうした財団の設立自体が本学への支援の在り方の稀有な例となる点が評価された。
周 順圭 様 2017年に同氏個人としてUTokyoNYにInfoGrid株の多大なる寄附をされ、UTokyoNYエンダウメント基金を創設された。当エンダウメントは、本学の国際化を進める上で重要拠点として位置付けられているUTokyoNYの中核的な財政的基盤となっており、今後の安定的なオフィスの運営及び事業の推進に大きく貢献することが見込まれる。また、同氏は、国際化の推進及び未来の研究力の維持・向上という本学の重要課題へ深い共感を示されており、特に学生や若手研究者の留学や研究交流活動の活性化をはじめ今後の本学の国際的発展に大きく貢献するものである点が評価された。
キッコーマン株式会社 様  平成28年10月より、農学生命科学研究科に開設された「醸造微生物学(キッコーマン)寄付講座」(6.5年間)は、「醸造微生物」に関する基礎研究を通じて技術力の向上、研究成果の社会還元、研究者の育成に貢献することを目的とし、現在も継続している。本寄付講座では、日本の伝統的な醸造産業に不可欠な微生物である麹菌を対象とした最先端研究を展開し、古くからの醸造技術の向上・革新の可能性を示す研究成果を数多く挙げるなどによって、学術的・産業的・社会的に大きなインパクトを与えるに至っている。このように、日本の伝統的な醸造産業に根ざした食の研究及び教育における顕著な発展をもたらした功績が評価された。
日本郵便株式会社 様 平成21年3月に同社と産学協働プロジェクトについての基本協定を締結して以降、今日までに、協働して社会貢献事業を進めるため、多額の寄附をいただいた。これにより総合研究博物館にインターメディアテク寄付研究部門が発足し、同部門が学術活動を担う「インターメディアテク」が平成25年に開館した。以後10年、この施設は、東京大学による学術を都心の約2,000平米のフロアにて展開する希有な機会をもたらし、本学の学術活動の可能性や社会的ヴィジビリティ、評価を大きく高めてきた。このように、長期にわたる寄附、また緊密な連携にもとづく協働事業への功績が評価された。
ダイキン工業株式会社 様 2007年の教育研究環境整備支援の寄附をいただいたことを端緒に、2018年には同社と産学協創協定を締結した。以降、寄附、共同研究、学生支援と多面的な連携を行っている。
なかでも、東京大学基金の複数のプロジェクトに対してはこの産学協創協定の下、総合文化研究科と東洋文化研究所が共同で推進している東アジア藝文書院、知の物理学研究センター設置の知の物理学研究寄付講座、産学協創推進本部が実施しているFoundX等に多額の寄附をいただいている。このような多面的な連携並びに本学の学術振興への貢献が評価された。
三井不動産株式会社 様 本学の教育研究活動に対し、2010年度以降、継続的な支援をいただいている。特に2012年に第1期を開始した「プラチナ社会総括寄付講座」については、第3期終了(2026年度)までの15年にわたる支援を表明いただくなど、長期にわたり安定的に研究活動を支えていただいている。また近年では、新型コロナウィルス感染症緊急対策基金に、いち早く支援を表明するなど本学の活動への深い理解をいただいている。
加えて、2021年度には新たな寄附スキームである、第1号のエンダウメントを設定するなど、累計寄附額は多額に上っており、これまで及び今後の本学の発展に大きく貢献している点が評価された。
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