量子熱電変換

中辻 知
理学系研究科
教授
電子構造のトポロジーに基づく巨大磁気熱電効果(異常ネルンスト効果)は、従来の熱電変換(ゼーベック効果)に比べ大面積化や薄膜化が容易、接合によるロスが少ない、性能指数ZTに対する変換高効率が高い等の利点を持つ。本プロジェクトでは巨大磁気熱電効果を熱電変換モジュール・熱流センサー等へ応用することで、熱電変換技術にブレークスルーをもたらすことを目標とする。
(左上)新しく見つかった巨大磁気熱電材料Fe3Gaの薄膜およびバルク結晶(右上)磁気熱電効果を用いた熱電変換モジュール(左下)Fe3Gaのノーダルウェブ構造(右下)ベリー曲率の等高線プロット
東京大学
ゼーベック効果(a)と異常ネルンスト効果(b)。起電力の方向は、ゼーベック効果では温度勾配と平行であるが、異常ネルンスト効果では温度勾配と磁化に垂直である。(c) 従来型熱電モジュール(ペルチエ素子)と (d)異常ネルンスト効果を使った新しい熱電モジュール。従来技術では P型とN型の半導体の柱を交互に並べた立体的な形状をしており、大型化や高集積化に伴う製造コストの増加が1つの問題である。新技術では立体構造は不要で、テープ化などにより熱源に沿った大面積の発電などが容易に行えるなどの利点がある。
東京大学

プロジェクトに関するURL

主な関連論文

  • Sakai, S. Minami, T. Koretsune, T. Chen, T. Higo, et al., Nature 581, 53 (2020).
  • Sakai et al., Nature Physics 14, 1119–1124 (2018).
  • M. Ikhlas et al., Nature Physics 13, 1085-1090 (2017).

主な特許

  • 特願2019-086716 熱電変換素子及び熱電変換装置 中辻知, 酒井明人 国立大学法人東京大学
  • 特願 2020-086716 熱電変換素子及び熱電変換装置 中辻知、酒井明人 国立大学法人東京大学

関連するSDGs項目

  • 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろ
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任つかう責任
  • 目標15:陸の豊かさも守ろう
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