総長談論

 東京大学は、1877年の創設以来、東西の文化が融合する学術の拠点として、世界の中で独自の学術を発展させ、多くの優れた人材を育成してまいりました。この伝統を引き継ぎ、さらに未来に向けて、既存の領域を超えた新しい学術を展開することで、社会へ貢献していきたいと考えています。

 

 世界は今、転換期にあります。地球環境の劣化、地域間格差、国際紛争の複雑化など、地球規模の課題は深刻さを増し、これまで現代社会を支えてきた民主主義や資本主義などの基本的な仕組みが揺らいでいます。また、急速に進化するデジタル革命は、世界の産業・社会の構造を知識集約型へと大きく変貌させています。このように急激に進行するパラダイムシフトの中で人類社会をよりよい方向に導くために、大学は何をすべきなのでしょうか。

 

 社会の変化が急激な現在の状況下では、大学も従来どおりの役割さえ果たしていればよいというわけではありません。社会の変化を受身的に捉えるというより、大学が自ら社会の変化に関わることが重要と考えています。大学はさまざまな人材が集う結節点として、多様な学術の出会いから新しい価値を生み出し、それを社会に伝えるという大きな役割を担っています。東京大学は、現在のパラダイムシフトをよいチャンスと捉え、個人が自由闊達に、かつ意欲を持って行動をしながらも、人類全体が調和的な発展に向かえるような未来社会の実現に向けて、知恵が価値を生み、個を活かす社会へのゲームチェンジを先導すべきと考えています。

 

 世の中の変化を恐れるのではなく、変化を楽しみ、積極的に活用する中で、日本の強みを再発見することさえ少なくないでしょう。今、大学に求められていることは、多様な知恵を組み合わせ、新たな知の体系を築くとともに、産学官民のあらゆるセクターと連携して、より良い社会を共に創ることに主体的に関わることです。東京大学は自らの役割をよりよく果たすことで、日本の国民の皆様、そして世界に貢献し、社会から信頼を得る大学となることを目指していきたいと決意しております。

 

東京大学総長        
五 神   真   
  
     

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