ナノナノ複合による遠赤外線食品乾燥による食品産業の高付加価値化

坂田一郎
工学系研究科
教授
  • 新潟県
新潟市
本プロジェクトは、セルロースナノファイバー(CNF)とカーボンナノチューブ(CNT)の複合素材の農林水産・食品産業への活用に向けた研究開発と社会実装を目的としている。具体的には、セルロースナノファイバーとカーボンナノチューブを電熱変換場として用い、高性能・省エネルギー型の新規な遠赤外線乾燥システムを開発し、農林水産物の乾燥加工への応用試験を実施し、ナノテクノロジーを応用した斬新な食料乾燥システムを構築、販路を見据えた社会実装をするものである。

食品加工プロセスにおいて、乾燥行程がしめるコストとエネルギー消費は一定の改善が期待されている。例えば栄養価の保存、食味の観点で現在主流となっている冷凍乾燥のコスト高は食材によっては行程の3割程度を占め、加工プロセス全体におけるエネルギー消費割合も課題となっている。

本プロジェクトでは、食品の細胞壁を破壊しない省エネルギー遠赤外線乾燥システムをセルロースナノファイバーとカーボンナノチューブのナノナノ結合による遠赤外線熱源をもって実現させる。これにより省エネ化による農業の成長産業化と新たな農業の担い手確保に貢献するものである。農業の成長産業化は食料安定供給に、農業の担い手確保は農村地域の人口減少の改善に寄与する。当該赤外線乾燥による食品乾燥において、食味において劣化しないもしくは有意であること示す事ができれば農林水産・食品産業の高付加価値、競争力強化に資する。

新潟食料農業大学とは、新潟が有する食関連産業を背景とした食品に関する高度な知見から、乾燥食料品の定性的定量的評価を行うことで本事業に高い相乗効果を生んでいる。具体的な乾燥食品として米やシイタケを対象とした乾燥実験を行い有効なデータを得ることに成功している。当該食品の高品質かつ高効率な乾燥が実現できれば日本の食のブランディングにも大きく寄与する。全国でもトップクラスにある農業生産額と食料品製造業出荷額を背景に、農業を含めた食関連産業全体が発展する「ニューフードバレー」の形成を推進している新潟市に所在する新潟食料農業大学との共同により、特に同市がすすめる取り組みのうち主に下記に資するイノベーションの創出も期待できる。
・新潟の食のブランド価値
・地域ビジネスの展開や新たな産業の創出
・高付加価値な食品等
乾燥機プロトタイプ諸元
東京大学大学院工学系研究科坂田古月研究室
米のテクスチャ評価
新潟食料農業大学

連携先

  • 名称: 新潟食料農業大学
  • 区分: 教育機関
  • 所在都道府県: 新潟県

地域連携区分

  • 地域貢献と知の循環が双方向で成立する地域連携
  • 東京大学が有する総合力と先端性を生かす地域連携
  • 研究対象・実装現場としての地域連携

プロジェクトに関するURL

共同実施部局/共同実施者

未来ビジョン研究センター / 特任教授 / 古月文志

実施期間

2017年2月1日~2021年3月31日

問い合わせ先

  • 担当: 東京大学大学院工学系研究科 坂田古月研究室 学術支援専門職員 佐藤妙子
  • メールアドレス: t.sato[at]ipr-ctr.t.u-tokyo.ac.jp
    ※[at]を@に置き換えてください

関連するSDGs項目

  • 目標7:エネルギーをみんなにそしてクリーンに
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろ
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