見落としのない病理診断技術


湯本 潤司
光量子科学連携研究機構
機構長/理学系研究科 附属フォトンサイエンス研究機構 教授
癌などの病変を探る病理診断では、摘出した臓器や組織を薄片化して標本とし、その標本を顕微鏡観察する方法が用いられている。しかしながら、数ミクロンの薄片としなければならないため、摘出組織全体を診断することが出来ず、病変を見落とす危険性がある。さらに、標本作製に時間がかかる、診断できる病理医の絶対数が不足している等の問題があり、これらが迅速且つ正確な病理診断の達成を阻害しているのが現状である。
本プロジェクトでは、これらの問題を解決しうる臓器透明化技術及び自動処理・撮影装置、画像診断プログラムを開発する。
透明化技術では、細胞組織と屈折率が同様な特殊溶液を使用する。細胞内の水をこの溶液で置き換えることにより光の散乱が抑制されるため、臓器は透明となる。透明化された標本は、数mmの深さまで光学顕微鏡による観測が可能となり、さらに、3次元イメージング化が可能となる。また、AIを組み合わせることで病変を特定するまでの観察時間を大幅に短縮することも実現できる。
加えて、取扱いが容易な自動処理・撮影装置の開発は、地方や発展途上国など病理医が極端に不足している地域の住民にも適切な病理診断サービスを受診させることができるという利点を生む。
本プロジェクトでは、これらの問題を解決しうる臓器透明化技術及び自動処理・撮影装置、画像診断プログラムを開発する。
透明化技術では、細胞組織と屈折率が同様な特殊溶液を使用する。細胞内の水をこの溶液で置き換えることにより光の散乱が抑制されるため、臓器は透明となる。透明化された標本は、数mmの深さまで光学顕微鏡による観測が可能となり、さらに、3次元イメージング化が可能となる。また、AIを組み合わせることで病変を特定するまでの観察時間を大幅に短縮することも実現できる。
加えて、取扱いが容易な自動処理・撮影装置の開発は、地方や発展途上国など病理医が極端に不足している地域の住民にも適切な病理診断サービスを受診させることができるという利点を生む。
プロジェクトに関するURL
- 準備中
共同実施者
小野寺宏 工学研究科附属光量子科学研究センター 特任教授
主な関連論文
投稿準備中
主な特許
特願2014-558293 組織透明化方法、組織透明化試薬及び組織観察方法
問い合わせ先
- 担当: 小野寺 宏/湯本 潤司
- 電話: 03-5841-6656/03-5841-4082
- メールアドレス: onodera[at]psc.t.u-tokyo.ac.jp/yumoto[at]ipst.s.u-tokyo.ac.jp
※[at]を@に置き換えてください
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