東京大学フューチャーファカルティプログラム、およびインタラクティブ・ティーチング

  • 目標4:質の高い教育をみんなに
栗田 佳代子
大学総合教育研究センター
副センター長/教授
大学院生および教職員対象の教育力向上を目的としたプログラムおよびその展開版であるオンラインプログラムの2種類を実施している。

1.東京大学フューチャーファカルティプログラム(以下「東大FFP」)
大学院生および若手教職員を対象とした、教育力向上のための2013年度開始のプログラム。1年間にSセメスター・Aセメスターの各2回、合計4回(各回定員25名)開講されており、大学院共通授業科目にも指定されている。過去10年・20期を通じて全研究科から954名の修了者を輩出しており、日本学術振興会特別研究員採用経験者が受講者の3割を超えている。将来の大学教員養成を通じて大学の教育力向上にも資するべく活動を重ねており、全受講者の9割を超える者が「友人にも薦めたい」とアンケートに回答するなど、高い満足度を得てきた。また、修了後の活動も書籍の発刊や新たなプログラムの創出につながるなど活発である。もともと大学院生向けのプログラムとしてスタートしたが、ニーズに応えるため2016年度より教職員の受け入れも始め、現在は受講生のうち約2割が教職員で占められる。

2.インタラクティブ・ティーチング
東大FFPを基盤に作成された、学外者も受講できるオンライン講座。大学院生や大学教員だけでなく、初等教育・中等教育の先生方や企業の人材育成部門の方々など、「教えること」に携わるより多くの方に利用いただくことを目的に構成されたプログラムで、 これまでに2万6千名以上が受講している。かつては日本版MOOCプラットフォームgaccoで開講されていたが、2021年からCourseraにて再公開し、全てのコンテンツを日本語と英語で提供している。関連するイベントとして、様々な規模(20人規模から300人規模)の反転授業型のワークショップを開催し学内外の高評価を得ているほか、JREC-INポータルでのオンラインコンテンツとしての開講や、テキスト『インタラクティブ・ティーチング』出版など、幅広い活動を展開している。
東大FDウェブサイト
東大FFP8期(2016年度)履修証授与式の様子

プロジェクトに関するURL

共同実施者

インタラクティブ・ティーチングについては、日本教育研究イノベーションセンター(JCERI)との共同実施。

主な関連論文

  • 栗田佳代子 (2021) 第7章「大学教育開発論」(東京大学教養教育高度化機構アクティブラーニング部門 編『東京大学のアクティブラーニング』東京大学出版会)pp.89-102
  • 中村長史・栗田佳代子(編)(2021)『インタラクティブ・ティーチング 実践編1 学びを促す授業設計―クラスデザインの作法と実例―』河合出版
  • 栗田佳代子 (2020) 「大学院生のための教育研修の現状と課題」,教育心理学年報, 59, 191-208
  • 栗田佳代子 (2020) 「第3章 大学院博士課程における大学教員養成」(分担執筆)(独立行政法人 大学改革支援・学位授与機構(編著)『大学が「知」のリーダーになるための成果重視マネジメント』ぎょうせい)pp.97-117
  • 栗田佳代子(監修)吉田塁・堀内多恵(編)(2017)『博士になったらどう生きる?―78名が語るキャリアパス』 勉誠出版
  • 栗田佳代子・日本教育研究イノベーションセンター(編)(2017) 『インタラクティブ・ティーチング  アクティブ・ラーニングを促す授業づくり』河合出版
  • 栗田佳代子・中村長史 (2017) 「オンライン型FDプログラムの学習継続要因の分析」,第23回大学教育研究フォーラム論文集,pp.74-75
  • 吉田塁・栗田佳代子・松原悠(2017)「プレFDプログラム受講の効果に関する質問紙調査の質的分析」,第23回大学教育研究フォーラム論文集,pp.72-73
  • Lui Yoshida, Kayoko Kurita (2016) The Development of a Graduate Student Academic Portfolio, Educational Technology Research, 39(1), pp. 111-123
  • Lui Yoshida, Kayoko Kurita (2016) Evaluation of Structured Academic Portfolio Chart and Workshop for Reflection on Academic Work, Procedia Computer Science, 96, pp. 1454–1462
  • 栗田佳代子・小原優貴・山辺恵理子・中原淳 (2015) 「オンラインFDプログラム「インタラクティブ・ティーチング」の開発と評価」,大学教育学会第37回大会発表要旨収録,pp.228-229
  • 栗田佳代子・中原淳・吉見俊哉 (2014)「東京大学フューチャーファカルティプログラムの意義と展望」,IDE現代の高等教育,559, pp.46-50
  • 栗田佳代子訳 スーザン A. アンブローズ,マイケル W. ブリッジズ,ミケーレ ディピエトロ,マーシャ C. ロベット,マリー K. ノーマン (2014)『大学における「学びの場」づくり よりよいティーチングのための7つの原理』玉川大学出版部 267ページ (Ambrose, S. A., Bridges, M. W., DiPietro, M., Lovett, M. C. and Norman, M. K. (2010). How Learning Works: Seven Research-Based Principles for Smart Teaching. Jossey-Bass: San Francisco.)

問い合わせ先

  • 担当: 栗田 佳代子 大学総合教育研究センター 副センター長/教授
  • メールアドレス: utokyo_fd[at]he.u-tokyo.ac.jp
    ※[at]を@に置き換えてください
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