ソーシャル・ビジネスによる貧困削減と社会的包摂

  • 目標1:貧困をなくそう
  • 目標8:働きがいも 経済成長も
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろ
  • 目標10:人や国の不平等をなくそう
  • 目標11:住み続けられるまちづくりを
  • 目標12:つくる責任つかう責任
池本 幸生
東洋文化研究所
教授
発展途上国で貧困対策として広く活用されるようになったマイクロ・クレジットは、銀行などからの融資を受けることができない人々に資金を提供するものである。これまで本研究グループは、バングラデシュとスペインのマイクロ・クレジットの比較を通して、マイクロ・クレジットの活動は同時に社会的排除の問題の解決を図るものであることを明らかにしてきた。つまり社会的包摂こそが真の目的であり、マイクロ・クレジットはそのために連帯を築くための手段だということである。

この認識に基づいて、本研究ではまず貧困対策には社会的包摂を促し、連帯を形成する仕組みが必要であるということを示す。主な事例は、タイやベトナムなどの少数民族に対する貧困対策である。そして、連帯によって社会的問題を解決しようとする仕組みは、環境保護を目指す有機農業など他のソーシャル・ビジネスにおいても不可欠な要素であることを示す。つまり、ソーシャル・ビジネスは市場では解決できない問題を非市場的な連帯によって解決しようとしているということである。

本研究の成果は、貧困削減のためのソーシャル・ビジネスの仕組み作りに役立てることができる。

タイ北部の山岳少数民族のためのドイトゥンコーヒープロジェクトのメンバーと日本人アドバイザー
ドイトゥン開発プロジェクト
東京大学コミュニティセンターで販売されるドイトゥンコーヒー
東京大学コミュニケーションセンター

プロジェクトに関するURL

共同実施者

研究分担者
・松井 範惇

主な関連論文

Rahman, Pk. Md. Motiur, Noriatsu Matsui and Ikemoto Yukio. Dynamics of Poverty in Rural Bangladesh: Springer, 2013.2.
池本幸生 松井範惇 編 『連帯経済とソーシャル・ビジネス―貧困削減、富の再分配のためのケイパビリティ・アプローチ』 明石書店、2015.4.
松井範惇 池本幸生 編 『アジアの開発と貧困: 可能力・女性のエンパワーメントとQOL』 明石書店、2006.

問い合わせ先

  • 担当: 池本 幸生
  • 電話: 03-5841-5877
  • メールアドレス: ikemoto[at]ioc.u-tokyo.ac.jp
    ※[at]を@に置き換えてください
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