海と希望の学校 in 三陸

  • 目標14:海の豊かさを守ろう
河村 知彦
大気海洋研究所
国際沿岸海洋研究センター センター長/教授
著しい過疎化・高齢化に加え、東日本大震災により壊滅的な被害を受けた三陸沿岸地域は、様々な形で復興と将来の活路を海に求めている。一方、三陸のリアス海岸に形成される大小様々な湾では、湾ごとに主要水産物や文化・風習が異なるが、それは海洋科学的な特性の違いによるものと推察される。しかし、その実態は科学的に解明されていない。そこで本事業では、大津波とその後の復興工事による海洋環境と社会構造の変遷も考慮しながら、三陸各湾の流動環境、物質循環、海岸地形、生物群集構造などを明らかにし、それら海洋科学的特性に基づく湾ごとの人文社会科学的な特徴を明らかにする。これら調査と並行して、三陸沿岸の中学校において各湾の海洋学的、人文社会学的特徴に関する対話型授業を実施し、地域の将来を担う生徒とともに各湾地先の復興・振興において海の持つ可能性とそれを生かしたローカルアイデンティティを模索し、地域の希望となる人材の育成を目指す。国際沿岸海洋研究センターには、次代を担う人材との継続的接点を確保するため、バーチャルスクール“海と希望の学校”を創設し、入校者を対象に機関誌やミーティングを通じた情報提供を行う。
大槌湾に浮かぶ蓬莱島(ローカルアイデンティティ)
プロジェクト概要

共同実施者

・中村 尚史 東京大学社会科学研究所 副所長/教授



主な関連論文

Kawamura, T., Takami, H., Hayakawa, J, Won, N.-I., Muraoka, D. and Kurita, Y. Changes in abalone and sea urchin populations in rocky reef ecosystems on Sanriku Coast damaged by the massive tsunami and other environmental changes associated with the Great East Japan Earthquake in 2011. Global Environmental Research, 18, 47-56, 2014.
河村知彦. 大槌湾の環境と海洋生物.大槌発 未来へのグランドデザイン 震災復興と地域の自然・文化,96-121, 昭和堂,京都,249pp., 2016.
河村知彦・福田秀樹・青山潤.東北の水産業:東日本大震災からの復興と明るい未来に向けて.国際沿岸海洋研究センター(岩手県大槌町)の被災と現状,将来展望.Nippon Suisan Gakkaishi, 83, 98-101,2017.
河村知彦・高見秀輝・早川 淳・村岡大祐・玉置 仁. 大槌湾周辺における東北地方太平洋沖地震後の海洋生態系の変化:東北マリン拠点形成事業(プロジェグランメーユ)による取り組みとその成果.三陸沿岸の岩礁藻場における地震と津波の影響およびその後の変化.Nippon Suisan Gakkaishi, 83, 印刷中, 2017.

問い合わせ先

  • メールアドレス: http://www.icrc.aori.u-tokyo.ac.jp/
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