近代アジアにおける水圏と社会経済

  • 目標6:安全な水とトイレを世界中に
  • 目標9:産業と技術革新の基盤をつくろ
  • 目標14:海の豊かさを守ろう
城山 智子
経済学研究科
教授
現代社会の「グローバル化」の下で、従来の欧米中心の世界観が多極化する中で、世界史の新たな重心としてのアジアについて、大きな学術的・社会的関心が向けられている。こうした課題に応え、アジアを一つのまとまりとして捉えようとする時、地域が共有する自然環境の特徴として、一つはモンスーンと季節的降雨が広域にわたって大きな影響を及ぼすこと、もう一つは域内の多くの地域が、水系に囲まれた地形、すなわち水圏であるということという、「水」をめぐる二つの条件を挙げることができる(図1)。本研究は、モンスーンおよび水圏という自然環境要因の下での、近代アジア社会経済の構造と動態を明らかにしていくものである。そこでは、まず、気候と水圏に関する3つの問題群①「自然環境・現象」、②「生産・生活」、③「移動・流通」に関係する情報に、緯度・経度を備えた空間IDを付け、空間情報データベース(DB)を構築する。次いで、データに空間解析を応用する。地理情報システム(GIS)等による可視化情報の重ね合わせと比較や、統計分析の手法を援用して推計と検証を行い、自然現象・環境と各地の社会経済の相互関係を明らかにしていく(図2)。本研究は、新しい研究リソースと分析手法の開発を通じて、水をめぐるアジア社会経済の長期変動に関する新たな知見を提示すると同時に、地球環境情報統融合システム(DIAS)などにもDBを提供し、文理融合プロジェクトとしての社会還元を行っていく。
水をめぐる二つの条件:季節的降雨と水圏
陸域:Natural Earth (http://www.naturalearthdata.com/)降水量:WorldClim (http://www.worldclim.org/)水域:Esri, DeLorme Publishing Company, World Water Bodies, and World Linear Water (https://www.arcgis.com/)
空間解析の概念図

プロジェクトに関するURL

共同実施者

川崎昭如 東京大学大学院工学系研究科特任教授

問い合わせ先

  • 担当: 経済学研究科城山プロジェクト室
  • 電話: 03-5841-0688
  • メールアドレス: hysoc_info[at]e.u-tokyo.ac.jp
    ※[at]を@に置き換えてください
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