全球から市町村スケールのシームレスな洪水予測

2.7 防災・復興知（地震、津波、火山、気象、水害、自然災害　等）

芳村　圭

生産技術研究所

教授

気候変動により激しさを増している極端降水に対して、既存の社会基盤施設の災害防護レベルでは防げなくなってきており、ハード対策と合わせて、予測の部分の精度を高めたソフト対策が世界的に強く求められています。そういったニーズに対応するため、東大とJAXAは、全世界から市町村スケールまでを対象とした実時間全球陸域水文量モニタリングシステム「Today’s Earth (TE)」を協働開発し、衛星観測準リアルタイム降水データ等に基づいた河川流量や氾濫面積等の陸域水文量の現況解析及び予測を行っています。

2019年10月に大きな被害をもたらした台風19号に関する10月11日9時時点からの39時間後の予測。赤い箇所ほど危険を表しており、丸印がついているのは破堤した千曲川。
東京大学

プロジェクトに関するURL

https://www.eorc.jaxa.jp/water/ $${r2018_SETTINGS.langTextNewWindow}$

共同実施者

・馬文超・日比野研志・山崎大・新田友子（東京大学）
・山本晃輔・沖理子・可知美佐子（JAXA/EORC）

主な関連論文

Yoshimura, K., T. Sakimura, T. Oki, S. Kanae, and S. Seto, Toward flood risk prediction: a statistical approach using a 29-year river discharge simulation over Japan, Hydrol. Res. Let., 2, 22-26, 2008.
Ma, W., Y. Ishitsuka, A. Takeshima, K. Hibino, D. Yamazaki, K. Yamamoto, M. Kachi, R. Oki, T. Oki, K. Yoshimura, Applicability of a nationwide flood forecasting system for Typhoon Hagibis, 2019, Scientific Reports, 11, 10213, 2021.
https://doi.org/10.1038/s41598-021-89522-8