東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

茶色いコルクボードのような表紙にサイズ大のフォントで題字

書籍名

大学4年間の統計学を10時間でざっと学べる

著者名

倉田 博史

判型など

224ページ、四六判、単行本

言語

日本語

発行年月日

2017年7月28日

ISBN コード

9784046020000

出版社

KADOKAWA

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大学4年間の統計学を10時間でざっと学べる

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KADOKAWAでは人気のシリーズとなっているということで執筆のお話を頂き、書いたものです。

統計学に限らず、学問は定評のある教科書をノートを取りながら (写経をしながら) 何度も読み、身に着けるのが一番確かな学び方ですが、ビジネスマンや他の分野に進んだ方 (学生を含む) にとっては現実的ではないと思われます。そのような「御用とお急ぎの方」向けに統計学の要点をまとめました。
 
このシリーズの本はいずれも20章構成になっていて、各章は5つの節からなります。5つの節はそれぞれ見開き2ページのみで、左側のページに解説文、右側の頁に図表によるまとめがあるという形式です。各節が大変に短いので、1章を30分で読める、従って全20章を10時間で通読できるというコンセプトの入門書です。
 
入門書とは言え、タイトルに「大学4年間の」という言葉がありますので、教養課程で学ぶ内容だけでなく、専門学部で学ぶようなトピックも含まれています。また、その基礎となる数学概念についても触れています。本書は全20章を第1部から第4部の4つに分け、まず第1部では「統計学への誘い」として、統計学が社会において果たしている役割について述べています。ここで取り上げているのは、「概念の計量化」「予測」「仮説の検証」「分類」です。また、第2部「データを読む」では、データ (数値) からどのように情報を引き出すかについての基礎事項、すなわち記述統計学について解説しています。データの次元や種類 (質的/量的、横断面/時系列など)、尺度水準などデータについての基礎知識を確認した後、度数分布表、ヒストグラム、散布図などの図表によるデータの整理・要約の方法と、平均や分散、標準偏差、相関係数などの数値による整理・要約の方法について議論しています。
 
第3部「データ発生のメカニズムを描く」では、「母集団と標本」という統計学の基本となる概念枠組みを提示し、母集団を記述する概念である確率、確率分布について詳しく述べています。2項分布や正規分布などもここで議論しています。第4部「データに基づいて判断する」では、統計的推測の基本事項である、無作為標本、推定 (点推定、区間推定)、統計的検定 (母平均の検定、母比率の検定など) を解説しています。また、発展事項として、質的データの分析、回帰分析、時系列解析についても概説しています。
 

(紹介文執筆者: 情報学環 / 総合文化研究科国際社会科学専攻 教授 倉田 博史 / 2017)

本の目次

第1部 統計学への誘い
    第1章 統計学への誘い
 
第2部 データを読む
    第2章 データについての基礎知識
    第3章 図表やグラフによるデータの整理
    第4章 データの中心の指標
    第5章 データ分布の散らばりの指標
    第6章 相関と回帰
 
第3部 データ発生のメカニズムを描く
    第7章 母集団と標本
    第8章 確率
    第9章 母集団を記述する確率分布
    第10章 離散型確率分布
    第11章 連続型確率分布
 
第4部 データに基づいて判断する
    第12章 無作為標本
    第13章 推定1
    第14章 推定2
    第15章 統計的仮説検定
    第16章 2つのグループの比較
    第17章 質的データの分析
    第18章 回帰分析
    第19章 時系列解析
    第20章 補足