平成19年度卒業式答辞


式辞・告辞集
平成19年度卒業式答辞
第一部
平成20年3月25日
卒業生総代
法学部
柴橋 資郎
本日は、私たち卒業生のためにこのような盛大な式典をご用意くださり、誠にありがとうございます。ご臨席を賜りました小宮山総長をはじめ、ご多忙にもかかわらずご出席くださった皆様に、卒業生一同心より御礼申し上げます。
振り返れば、私が東京大学に入学したのは今から4年前。これから始まる大学生活に大きな期待を寄せて駒場キャンパスの正門に立ったことを、つい昨日のことのように覚えております。決まった教室に自分の机があるわけでもなく、一緒に講義を聴く友人の顔ぶれもいろいろ――高校までの生活とは違うそんな生活に慣れるまでには、ほんの少しだけ時間がかかりました。
しかし、卒業の時を迎えた今では、大学生活のそんな側面は非常に魅力的であるように思われます。自分の居場所を自分で見つけようとするうちに、どれほどたくさんの人たちにめぐり逢うことができたか、そしてその人たちとの出逢いが自分自身にとってどれほどの糧になったか。素晴らしい出逢いの数々に思いを馳せると、東京大学で過ごした時間は自分自身の人生にとって欠くことのできない1ページであったということに、疑いの余地はありません。
私は、法学部のゼミでたくさんの本と出会い、先生のご指摘や先輩方のご発言からさまざまなことを学ぶことができました。私が所属したゼミでは、昨年卒業なさった先輩方との交流が絶え間なく続くほど学生同士の仲が良く、自信を持って一生涯にわたる財産を得たと言うことが出来ます。
また、私は数あるサークル活動の中から「東京大学ピアノの会」に所属しました。4年間の活動の集大成として先日行った卒業演奏会では、4年間苦楽を共にしたメンバーと笑い合ったり、先輩方や後輩たちから盛大に卒業を祝福してもらったりして、学生生活最後にとびきりの思い出を作ることができました。
このように東京大学での4年間は、私たちにたくさんの実り豊かな出逢いを授けてくれました。そんな一つ一つの素晴らしい出逢いを、どうやって今後の人生に活かしていくのか――それを模索していくことが、私たち卒業生に与えられる大きな使命となるでしょう。また、この東京大学で学んだことを誇りに思い、ここで受けた恵みを、自分たちの人生にだけではなく、より広く社会へと還元していく責任を強く自覚しなければなりません。そして日本のために、ひいては世界のために大きく貢献できる人間になることを目指して、卒業生一同今後とも精進してまいります。
最後になりますが、未熟な私たちにいつも適切な助言を与えて下さった諸先生方、また様々な場面で私たちを支えて下さった職員の皆様に、改めて御礼申し上げるとともに、大学卒業を迎えた今日まで私たちの成長を見守り続けてくれた家族に感謝します。そして、東京大学の一層の発展を願い、答辞とさせていただきます。
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