2012年 濱田総長年頭挨拶

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濱田総長年頭挨拶

年頭のご挨拶を申し上げます。

昨年は、3月11日の東日本大震災、それに伴う大津波と福島原子力発電所の事故によって日本社会が震撼させられ、 多くの人びとが悲しみ、心痛めた年でした。今日なお避難生活や生活再建のために苦闘の日々を送っていらっしゃる皆さまに、 心よりお見舞いを申し上げます。この凄まじい惨禍に対する救援と復興支援に関わる東京大学のスタンスの表明として、 昨年5月に、「生きる。ともに」という総長メッセージを出しました。東京大学でも多くの学生や教職員がボランティア活動に参加し、 また、専門知識を生かした復興支援プロジェクトを通じて、被災地や被災された方々への支援を行っています。 新しい年の始まりにあたり、被災はまだ継続しているということを改めて思い起こして、今年も弛むことなく支援を継続していくつもりです。
 日本の政治経済も、新しい時代への脱皮に向けて苦闘を続けており、国の財政状況はますます厳しさを増しています。 平成24年度政府予算案においては、高等教育や学術研究に対する一定の配慮がなされていますが、同時に、 運営費交付金のさらなる減額や改革推進経費の新設に見られるように、大学改革を求める強いメッセージが発せられています。 東京大学も、主体的な改革を引き続きスピーディーに、かつ着実に進めることによって、 「世界を担う知の拠点」としての競争力を強化していく決意です。
 今年は私の6年間の任期の折り返し点です。2015年までの活動計画である「東京大学の行動シナリオ(FOREST2015)」への取組みが着実に進み、 「森が動く」ことを実感しつつあります。社会の変化の激しい時代だからこそ、東京大学の改革は、目前の課題への取組みと同時に、 学生たちの20年後、30年後を見据えた教育と、また中長期にわたり日本の科学・技術や文化・制度を支えていく研究を、 目指していきたいと考えています。

皆さまのこの一年のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。

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東京大学 総長 濱田純一
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