2013年 濱田総長年頭挨拶

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濱田総長年頭挨拶

2013年1月1日

新年あけましておめでとうございます。

昨年は、これまでになく大学の動きが社会の耳目を集め、様々な議論や報道がなされた年でした。グローバル化の急速な進行と相俟って、日本の社会・経済の将来に対する危機感が高まり、自信を持った日本の再生に向けて、またそうした将来を担う若者の育成について、社会が大学に大きな期待を寄せていることの表れと受け止めています。

国民によって支えられている東京大学は、このような社会の期待に、速やかに具体的な形で応えていく大きな責任があります。私は総長就任以来、国際的な競争力を備えた卓越性を追求する研究のための環境整備を人事財務施設等諸方面で進めるとともに、人材の育成について、「よりグローバルに、よりタフに」というコンセプトを軸に取り組みを行ってきました。昨年は、学事暦の見直しをはじめとして「総合的な教育改革」を進めていく方針を改めて明確にし、教育制度の枠組み、教育の質向上、入試制度など、多様な事項について学内での議論を幅広く行い、その成果を逐次具体的な形へとまとめることを目指してきました。本年も、その歩みを着実に、かつスピード感を持って進めていく所存です。

震災からの再生も日本の大きな課題です。震災から2年が経とうとしていますが、本格的な復興への動きはまだまだこれからです。東京大学は、「救援・復興支援など日本再生に向けた活動の展開」を、2015年を目標とした計画である「東京大学の行動シナリオ(FOREST2015)」の重点項目の一つに加えました。被災地や関係各所との絆を大切にしながら、大学らしい専門分野を活かした支援や学生・教職員のボランティア活動といった形で、復興支援のための活動を息長く継続していきます。

今年は私の6年の任期の5年目に当たり、「行動シナリオ」に掲げた目標を実現していく上で極めて重要な年となります。これまでに着手した様々な取り組みを踏まえながら、研究力と教育力のさらなる向上を通じて、明日の日本社会を力強く支え、明日の時代に生きる若者を育てるために、いまいっそうの力を注ぎたいと考えています。皆様からのさらなるご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

皆様のこの一年のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。

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東京大学 総長 濱田純一

 

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