2014年 濱田総長年頭挨拶

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濱田総長年頭挨拶

2014年1月1日

新年明けましておめでとうございます。

いま日本社会は、確実な未来を形作る上で重要な踏ん張りどころにきています。政府はじめ社会各層の組織や人々が、東日本大震災からの復興に取り組みながら日本社会のさらなる発展を図り、世界の安定と平和により大きな貢献をすべく、力を尽くしています。東京大学も当然に、その重要な一翼を担う立場にあります。折しも、本年は、私の総長任期の最終年度にかかります。引き続き「東京大学の行動シナリオ FOREST2015」の完遂のために全力を挙げる中で、日本社会の明日に対する責任を十全に果たしていきたいと思います。

秋季入学構想の検討に始まった総合的な教育改革は、昨年7月の役員会決定を経て、4ターム制の導入を含め大枠の方向が定まりました。本年は、平成27年度からの具体的実施に向けて着実に準備をすすめていく期間となります。このたびの教育改革は、東京大学が、教育のみならず研究においても、さらには社会との連携という点においても、グローバル時代における世界トップ水準の大学にふさわしい未来を築くための重要なステップであり、大学の総力をあげた取り組みを行っていくつもりです。

総合的な教育改革をすすめることは、社会における大学の役割、学術の役割を改めて深く考える機会となります。今年は大学のガバナンス論議も盛んになると思われますが、その議論の本質は、いかにすれば大学や学術は社会から負託された役割を迅速かつ最善に果たしうるか、ということにあります。それを、教育改革をはじめとする東京大学の行動の具体例で示すことができるよう、力を尽くしたいと考えています。

大学や学術の役割を語るときに、研究倫理の確立は最重要課題の一つです。研究不正は、東京大学の教育研究のみならず学術そのものへの社会的信頼を損なう、きわめて深刻な事柄です。いま生じている問題について徹底的に究明し厳正に対処するとともに、高い研究倫理を東京大学の精神風土とすべく確実な取り組みをすすめていく決意です。

東京大学においては、これらの事柄を重点的に意識しながら、本年も日本のトップ大学として誇りうる教育研究の実績を挙げていく所存です。皆様からのさらなるご支援とご鞭撻をお願い申し上げます。

皆様のこの一年のご多幸を、心よりお祈り申し上げます。

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東京大学 総長 濱田純一
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