平成20年度学位記授与式答辞

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式辞・告辞集  平成20年度学位記授与式答辞

平成20年度学位記授与式答辞

第一部

平成21年3月23日
修了生総代
                       教育学研究科 博士課程
大滝 世津子

 本日は小宮山総長をはじめ、多くの皆様のご臨席を賜り、このように盛大な学位記授与式を催していただきましたこと、修了生を代表いたしまして、心より御礼申し上げます。また、只今は小宮山総長より激励のお言葉を賜りましたこと、重ねて御礼申し上げます。

 私は数年前、希望と不安を胸に、この東京大学大学院の門を叩きました。はじめは右も左もわからない状態からスタートし、無我夢中で走り続けた日々でした。そんな私が、無事に今日の日を迎えることができたのは、ひとえに東京大学と、そこで出会えた大切な方々のおかげであると感じております。

 私が大学院に入学し、最初に実感したのは「自分の無知」でした。そこから、試行錯誤しながら学んで行く中で、時に私の行く道を照らし、時に叱咤激励し、時に支えて下さったのが、親身になって下さる先生方、面倒見の良い先輩方、そしてかけがえの無い同期や後輩達でした。こうした方々との議論や学問的な訓練を通して、私は幾度も「目からウロコ」という体験をし、わくわくする日々の中で、学問の面白さと厳しさを学びました。この同じ時期に東京大学に在籍したからこそ得ることができた大切な出会いに、いま改めて感謝しております。本日ここに集った修了生は、学問領域も、就学年数もさまざまですが、この大学でのかけがえのない出会いは誠に得がたいものであったと、誰もが感じていることでしょう。

 けれども、今日のこの日は私たちにとってゴールではなく、スタートです。周囲に目を向けてみると、環境問題や資源問題、人口問題など、マクロレベルでも、ミクロレベルでも、多くの問題が山積しています。こうした問題に対応するためにも、これからひとりひとりが、この恵まれた研究環境を持つ東京大学で、真剣に学問と向き合えた経験を誇りにして、この大学で培った眼で社会を見つめ、精一杯持てる力を発揮する、そのことが同時に、私たちを導いてくださった大切な方々への恩返しにもなると考えております。この大学で学んだ全てのことが私たちの宝物です。

 最後に、これまでご指導下さいました小宮山総長をはじめとする諸先生方、職員の皆様、そして、いつも私たちを温かく見守って下さったご家族の皆様に、重ねて御礼申し上げますと共に、皆様のご健康と東京大学の更なるご発展を祈念し、答辞とさせていただきます。ありがとうございました。


第二部

平成21年3月23日
修了生総代
工学系研究科博士課程
大内 政輝

 本日は、諸先生方、教職員の皆様をはじめ、多数の皆様のご臨席の下、このように盛大な学位記授与式を催していただき、修了生一同、心より厚く御礼申し上げます。また、只今は小宮山総長より、ご懇篤なる告辞と激励のお言葉を賜りましたこと、重ねて御礼申し上げます。

 さて、私たちが本学へ入学して以来、2年もしくは5年間を振り返りますと、そのほとんどの時間を「科学」という知的活動に捧げてきました。科学研究は、一見すると極めて高い合理性をもった知的活動であるように見えます。しかしながら、実際には、自己の予測や仮説がすぐに成功することは極めてまれであり、研究活動の大部分は、失敗の活動であったといっても過言ではありません。そこでは、私達が持つ予測や期待のような、「主観」に対して、真理に基づいた「結果」のみが存在しました。この絶対的な真理の前では、私達の思考、行動、費やした時間などは、いとも簡単に打ち砕かれ、時には途方にくれることもありました。しかしながら私達は、この科学研究を通じ真理と向き合うことによって、自らの思考、予測を客観的に捕らえ、対象を論理的かつに詳細に分析した後、合理的な研究計画を立ててきました。従って、本学において真理に向き合い、一見すると無駄に見える失敗の繰り返しこそが、対象の本質を鋭く捉え、私達の客観性、論理性、合理性を研ぎ澄ますことができた大きな要因であったと思っております。

 一方で、今世の中は、100年に一度と言われる世界的経済不況であります。また、学術研究では異分野が融合し、新たな研究領域が誕生する中、グローバルな研究競争が行われております。このような厳しい社会情勢の中、私達は今日をもって東京大学を巣立ち、社会へ出ることになります。本日、理学・工学・農学・医学・薬学・数理科学、情報理工学の各分野を修め、東京大学を巣立っていく修了生一同は、科学を通じて得た「方法」、そして「その展開」をもって本質を捉え、日本のリーダーシップとなる人材として活躍し、次の時代を創造していく覚悟であります。

 最後に東京大学の学生として、素晴らしい環境の中で自己を磨くことができたのも、ひとえに諸先生方や職員の皆様、先輩方、友人、そして、なにより本日来ていただいております御父母の皆様のおかげです。今日まで私達を支えて下さった方々に、修了生一同心よりお礼申し上げます。皆様の今後一層のご活躍と、東京大学のさらなる発展を祈念し、答辞とさせていただきます

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