東京大学教員の著作を著者自らが語る広場

白い表紙にピンクの景福宮のイラスト

書籍名

世界歴史大系 朝鮮史 1 先史~朝鮮王朝 朝鮮史 2 近現代

著者名

李 成市、宮嶋 博史、糟谷 憲一 (編)

判型など

(朝鮮史 1) 644ページ、A5判 (朝鮮史 2) 480ページ、A5判

言語

日本語

発行年月日

2017年10月

ISBN コード

(朝鮮史 1) 978-4-634-46213-7
(朝鮮史 2) 978-4-634-46214-4

出版社

山川出版社

出版社URL

書籍紹介ページ

学内図書館貸出状況(OPAC)

朝鮮史 1 朝鮮史 2

英語版ページ指定

英語ページを見る

本書は先史時代から現代に至る朝鮮史の通史であり、山川出版社の「世界歴史大系」シリーズの一環として企画され、2017年10月に全2巻で刊行された。上巻にあたる1では先史時代から朝鮮時代末期 (19世紀末) まで、下巻にあたる2では19世紀末以降、2017年初めまでを扱う。日本の学界を中心に活動する中堅以上の研究者13人による共著であり、朝鮮時代を専門とする筆者は1の第六章と第七章を執筆した。本学に籍を置く研究者としては、筆者のほか三ツ井崇氏 (総合文化研究科准教授) が2の第二章 (一部を除く) を、また木宮正史氏 (総合文化研究科教授) が2の第三章~第五章を執筆している。
 
本書以前に日本国内で刊行された朝鮮史に関する通史としては、本書と同じ山川出版社の「新版世界各国史」シリーズとして2000年に刊行された武田幸男編『朝鮮史』がある。同書は本書同様、各時代を専門とする研究者6人による共著であり、韓国刊行書の翻訳書を除けば、本書刊行まで日本語で読める最も詳しい通史だった。学術的水準の高い、最も信用できる通史としての役割を長らく担ってきた。しかし同書の刊行からすでに十数年が過ぎ、近現代史の記述を中心に、近年では必ずしも最新の研究成果を反映したものとはいいがたくなっていた。本書はそうした状況を踏まえ、変動著しい現代史の叙述をこれまでよりも分厚くするとともに、各時代ともに内外学界での最新の成果を盛り込むことで、事実上、日本語で読める朝鮮史の通史の決定版を目指した。
 
通史という性格上、本文の叙述はどうしても政治史ないし事件史中心にならざるをえないという制約があるが、各章に「補説」というコラム欄を複数設け、本文では十分に言及できない特定のトピックについて解説することで、そうした制約を多少とも解消する工夫がなされている。各巻巻末の付録も充実しており、とくに「参考文献」は、たんに文献リストを載せるだけでなく、武田幸男編『朝鮮史』の体裁を継承して各文献に簡単な解説を付けており、一種の研究入門としても活用できる。「年表」も詳細である。
 
最後に、筆者の担当部分について簡単に紹介しておこう。1の第六章では、14世紀末に李成桂によって建国された朝鮮王朝がその支配体制を固めるまでの約100年間を、第七章では、初期に確立した支配体制が、政治・経済・社会の各方面で次第に変動していく15世紀末から17世紀末までをそれぞれ扱った。政治史の叙述を中心にしながらも、筆者が専門とする経済史や財政制度史などにも大幅に紙数を割いた。社会史や文化史、対外関係史にも一定の叙述を盛り込むことで、当該時期の歴史に対する総合的な理解を得られるよう配慮したつもりである。
 

(紹介文執筆者: 人文社会系研究科・文学部 教授 六反田 豊 / 2018)

本の目次

朝鮮史 1
序章 朝鮮史研究と植民地主義の克服
第一章 先史から古朝鮮
第二章 高句麗・百済・新羅・加耶
第三章 後期新羅と渤海
第四章 高麗前期
第五章 高麗後期
第六章 朝鮮初期
第七章 朝鮮中期
第八章 朝鮮後期
第九章 朝鮮末期 (十九世紀)
付録 索引 年表 参考文献 王朝系図 行政区各図
 
朝鮮史 2
第一章 朝鮮の開国と開化
第二章 植民地支配下の朝鮮
第三章 南北分断体制下の独裁と民主化の挫折
第四章 開発独裁による南北体制競争への対応
第五章 民主化と脱冷戦への対応 : 一九八〇~二〇一七年
第六章 社会主義朝鮮の歴史
付録
 

このページを読んだ人は、こんなページも見ています