平成27年度文化功労者顕彰

平成27年度文化功労者顕彰

佐々木毅名誉教授・元総長、梶田隆章教授が、文化功労者として顕彰されました。

佐々木毅 法学政治学研究科・法学部 名誉教授・元総長

佐々木毅 法学政治学研究科・法学部 名誉教授

佐々木毅名誉教授・元総長が平成27年度の文化功労者として顕彰されました。

佐々木先生は、永年にわたって、政治学及び政治学史の教育・研究に努め、日本における政治学研究の第一人者として、同分野の研究教育の進歩に多大な貢献を果たされてきました。

西洋政治思想史研究においては、著書『マキアヴェッリの政治思想』をはじめとするニッコロ・マキアヴェッリ、『主権・抵抗権・寛容』をはじめとするジャン・ボダン、『プラトンと政治』『プラトンの呪縛』をはじめとするプラトンなど、古代ギリシアから近代ヨーロッパにかけての多くの重要な政治思想家についての画期的な研究を行いながら、政治理論一般さらには現代政治を理解するために重要な理論的枠組みを提示されました。

また、政治原論においては『現代アメリカの保守主義』『アメリカの保守とリベラル』をはじめとする現代アメリカの政治思潮に関する研究、そして『いま政治に何が可能か』『政治に何ができるか』『政治家の条件』『政治の精神』をはじめとする現代日本政治に関する分析を通じて、現代民主主義が直面する課題を鋭く指摘されると共に、平成デモクラシーと称される1990年代以降の一連の政治改革における理論的支柱として大きな役割を果たされました。

さらに、本学の運営においては大学院法学政治学研究科長・法学部長に引き続いて、平成13年から総長を務められ、国立大学法人化など新制大学発足以来の大規模な大学改革を指導し、世界的競争力のある研究・教育環境の実現に向けて尽力されました。

これらの業績により、平成16年に英国学士院客員会員、平成23年に日本学士院会員に迎えられたほか、平成17年には紫綬褒章を受章されています。このたびのご受章を心よりお祝い申し上げるとともに、これからもますますお元気でご活躍くださることをお祈り申し上げます。

 
(大学院法学政治学研究科・法学部 谷口将紀)

梶田隆章 宇宙線研究所 教授

梶田隆章教授

このたび、本学宇宙線研究所教授の梶田隆章先生が、本年の文化勲章を受章され、また、文化功労者として顕彰されました。

先生は、1986年本学大学院理学系研究科にて理学博士の学位を取得された後、本学理学部附属素粒子物理国際センター助手、本学宇宙線研究所助手、および、同助教授を経て、1999年には本学宇宙線研究所教授、ならびに、附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター長、2008年からは本学宇宙線研究所長を務められています。

先生は、カミオカンデ実験での大気ニュートリノ研究において、高精度でニュートリノの種類を識別する手法を開発され、大気ニュートリノ中の電子ニュートリノおよびミューニュートリノの事象数比が、理論計算と比較して大きく異なることを見出されました。さらに、検出装置性能を向上させたスーパーカミオカンデ実験において、ミューニュートリノ事象数が天頂角方向に依って著しく異なる測定結果を得て、この現象がニュートリノ振動に起因することを示されました。これは世界で初めてニュートリノに質量が存在する明白な証拠となり、素粒子・宇宙物理学に多大な影響を与えました。

この業績に対して先生は、1999年仁科記念賞、2002年パノフスキー賞、2010年戸塚洋二賞、2012年日本学士院賞、2013年ユリウス・ヴェス賞など数多くの賞を受賞され、本年はノーベル物理学賞の受賞が決定しています。

また先生は、本学附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター長として、国内におけるニュートリノ研究の振興や後進の育成に貢献され、さらに宇宙線研究所長になられてからは、重力波大型プロジェクトの推進など、日本における宇宙線研究の発展に尽力されています。

このたびのご受章、ならびに、ご顕彰を心よりお慶び申し上げるとともに、今後の益々のご健勝をお祈り申し上げます。

 
(宇宙線研究所・附属宇宙ニュートリノ観測情報融合センター 奥村公宏)
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