令和5年 部局長の交代のお知らせ

部局長の交代のお知らせ

令和5年4月1日付で、下記のとおり各部局長の交代がありました。新部局長を紹介するとともに、退任された部局長のご挨拶を掲載します。

部局名 新部局長 前部局長 任期
大学院医学系研究科・医学部 南學 正臣 岡部 繁男 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院工学系研究科・工学部 加藤 泰浩 染谷 隆夫 令和5年4月1日~
令和8年3月31日
大学院人文社会系研究科・文学部 納富 信留 秋山 聰 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院理学系研究科・理学部 大越 慎一 星野 真弘 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院農学生命科学研究科・農学部 中嶋 康博 堤 伸浩 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院経済学研究科・経済学部 古澤 泰治 星 岳雄 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院総合文化研究科・教養学部 真船 文隆 森山 工 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院教育学研究科・教育学部 勝野 正章 小玉 重夫 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
大学院新領域創成科学研究科 徳永 朋祥 出口 敦 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
医科学研究所 中西 真 山梨 裕司 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
地震研究所 古村 孝志 佐竹 健治 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
東洋文化研究所 中島 隆博 高橋 昭雄 令和5年4月1日~
令和8年3月31日
物性研究所 廣井 善二 森 初果 令和5年4月1日~
令和8年3月31日
大気海洋研究所 兵藤 晋 河村 知彦 令和5年4月1日~
令和7年3月31日
 

退任の挨拶

岡部 繁男(前大学院医学系研究科長・医学部長)

――部局長退任のご挨拶

2021年4月からの2年間、部局長を務めさせていただきました。この間、藤井総長を始めとする大学執行部の皆様、他部局長の方々とともに様々な課題について議論をし、連携や交流の機会をいただけたことをまず感謝申し上げます。医学はパンデミックに最も直接的に関係する学問分野であり、この2年間も医学部と附属病院において新型コロナウィルス感染症の蔓延への対応が重要な課題となりました。幸い研究科・学部・附属病院の教職員の皆様のご理解とご協力、大学執行部からの適切なご指導により、何とか任期を終えることが出来ました。ポストコロナを迎え、大学の活動も活性化が期待される一方で、国際情勢の不安定化やエネルギー価格の高騰など、新たな負の要因への対応も求められる所です。国際卓越研究大学制度への対応など、次期の部局長の皆様には長期的な展望に基づいた大学の制度設計の議論を更に進めていただけるよう心より願っております。

染谷 隆夫(前大学院工学系研究科長・工学部長)

――常に仲間とともに

2020年4月から3年間、工学系研究科長・工学部長をつとめ、この度退任いたしました。

私の任期中、新型コロナウィルス感染症の影響によって、大学における教育研究活動が一変しました。特に、2020年には、感染症の渦中、学事暦の変更なしに遠隔授業を始めました。また、同年夏の大学院入試では、出願から筆記試験まですべてオンラインで実施しました。このような挑戦が大きなトラブルなく進められたのも、全教職員の使命感と底力があってこそです。また、さまざまな行動規制がある中、学生の活躍にも目を見張るものがありました。

困難な状況の中、常に多くの仲間に支えられ、業務を遂行して参りました。感謝の気持ちで一杯です。最後に、総長をはじめ本部のみなさま、執行部をはじめ工学系研究科の構成員のみなさまに心から御礼を申し上げ、退任のご挨拶とさせていただきます。

秋山 聰(前大学院人文社会系研究科長・文学部長)

――退任にあたって

立候補もなければ、推薦もなく、ただ候補者のボタンを押すだけ、という文学部教授会の研究科長・学部長選挙において、思いもよらず罰ゲームのように選出されてしまい、途方に暮れて天井を見上げてから、早や二年三か月ほどが経ちました。最初の一年は怒涛のように早く感じられ、次の一年は牛歩のように遅く感じられるという稀有な二年間を過ごすこととなりました。今、退任が目前となり、長いトンネルの向こうにほのかに明るい出口が見えてきたような気がしています。

この二年間、右往左往の連続で、三歩進んでは二歩下がる、あるいは二歩進んでは三歩下がる、を繰り返してきました。ただ、人文学の成果や蓄積を応用・活用しての地域連携をはじめとした「人文学応用連携活動」という事業については、学内外において幸い一定の評価を得るに至ったようです。ご助言、ご支援くださった皆様に篤く御礼申し上げます。後継の執行部による一層の展開を願いつつ、退任のあいさつとさせていただきます。

星野 真弘(前大学院理学系研究科長・理学部長)

――理学の発展を祈って、コロナ禍の3年間

理学部長・理学系研究科研究科長に就任したのは、3年前のちょうどコロナ禍が始まったときです。私にとってコロナといえば、研究対象としていた太陽やブラックホールの高温コロナの解明でしたが、就任早々に同じ名前のコロナ問題を突き付けられたスタートでした。さて、理学の原動力は不思議だと思うことで、理学は自然界の謎を解く営みを通して、誰も知らなかった問題に挑み、とことん考え抜いて最後にその答えを出す学問です。コロナ禍においても、このチャレンジングな理学の教育研究をサポートできるように心がけて参りました。たとえばグローバルスタンダード理学構想をスタートさせ、世界中から誰もが来たくなるキャンパス実現に向けた小さな一歩を踏み出せたかと思います。また老朽化した理学部2号館・3号館に替わるライフサイエンス新棟建設についても、生命医学系の先生方のご尽力によって悲願叶い、大学全体の将来構想に位置付けていただけることになりました。このような次世代につながる取組みを、微力ながらもお手伝いさせていただけたことを大変うれしく思っております。今後さらに理学の教育研究が大きく発展していくことを願ってやみません。

堤 伸浩(前大学院農学生命科学研究科長・農学部長)

――退任にあたって

4年間部局長を務めました。1年目の終わりにCOVID-19のパンデミックが始まりました。「学びを止めない」との号令を受け、とても対応ができそうにないと感じた私は、ただオロオロするばかりでした。それでも本部役員のみなさまのリーダーシップのもと、部局の教職員や学生の協働により、講義や実験実習、会議運営をコロナ対応型に数週間で変革することができました。大学という組織が危機に際して意外なほど柔軟であったことを示しています。

公共財としての大学は常に変化し続ける必要があるのだと思います。さまざまなバックグラウンドを持つ人々が知識や経験を共有し、ていねいな対話にもとづく協働によって、よりよい未来が来ることを確信しております。

4年間たいへんお世話になりました。ありがとうございました。

 

星 岳雄(前大学院経済学研究科長・経済学部長)

――退任にあたって

2年間の任期を終え、退任いたしました。短い間でしたが、ちょうど同じ時期に就任された藤井総長をはじめとする大学執行部の皆様のご支援のもと、様々な改革に取り組むことができました。

比較的成功したと思われる取組を挙げると、研究科が以前から進めていたグローバル市場での人材獲得の更なる進展、その財務的基盤を補強するための目的が指定されていない寄付金などの本部信託運用制度の構築、女性人事加速5カ年計画の策定などがあります。また、寄付講座を通じた社会連携も重視し、在任中に新しい寄付講座を二つ立ち上げることができました。経済学研究科にある6つの研究センターがそれぞれのセンター長のリーダーシップのもとに発展するのを見ることができたのも、うれしいかぎりです。

失敗したことも多々あると思いますが、それらは皆様の記憶に残らないことを祈ります。曲がりなりにも任期を全うすることができたのは、研究科・学部の教職員のご協力と大学執行部のご指導の賜物です。お世話になったすべての方々に深く感謝申し上げます。

森山 工(前大学院総合文化研究科長・教養学部長)

――withコロナからpostコロナへ─退任にあたって

わたしが部局長を務めた2年間は、コロナ禍からwithコロナへの移行期にあたります。コロナ禍では、キャンパス環境の改善について学生からの意見やアドバイスを募るサイトを開設しました。それにもとづいて、感染予防を徹底しつつも学生が集える空間をキャンパスの各所に設営しました。このサイトは、「駒場Iキャンパスライフ改善サイト」として、その後も広く活用されています。学生の声に耳を傾け、その結果としての部局対応を学生にフィードバックするこの取り組みは、コロナ禍からwithコロナへの移行を象徴するものです。

今後は、withコロナからpostコロナを見据えたキャンパス計画が必要になります。わたしの任期中には、民間との研究上の連携、就労環境の改善、財源の多様化、駒場図書館II期や1号館改修にともなう施設整備計画などを手がけました。着手しつつも完遂できなかった施策は多々あります。今後はpostコロナへの移行のなかで、次期執行部にこれらのさらなる充実化を期待します。

部局長を務めるにあたってご支援をいただいた本部の総長・理事をはじめとする執行部のみなさま、事務のみなさま、部局で支えてくださった教員ならびに職員のみなさまに感謝申し上げます。

小玉 重夫(前大学院教育学研究科長・教育学部長)

――声をことばにしていく旅へ

2021年の4月から2年間、教育学部長・教育学研究科長をつとめさせていただきました。私は2017年の4月からの2年間も同職にあり、2回目の学部長・研究科長でしたので、トラックを2周走った気分です。1周めの時よりも少しはブラッシュアップさせようと努めてまいりましたが、果たしてどうだったか、心許ない気がいたします。

そうしたなか、2022年4月にはKYOSS(教育学部セイファー・スペース)とオールジェンダートイレを開設し、届きにくい声を形にし、ことばにしていくために、すべての人が安心して過ごせるキャンパスづくりを先導できたことは本年度の貴重な成果でした。その過程で学生のみなさんから学んだことも多く、先日の卒業式の答辞で菅田利佳さんが述べられた、「私たち一人一人が無数の側面を持ち、誰もが支援を必要とする時もあれば、仲間の痛みに寄り添う協力者にもなり得る」ということばが、強く胸に響きました。

コロナ禍での困難な部局の運営、研究教育活動を支えて下さった多くの教職員のみなさま、そして学生、院生のみなさまには、本当にたいへんお世話になりました。本部局へのますますのご支援をお願いし、私からの退任の挨拶といたします。

出口 敦(前大学院新領域創成科学研究科長)

――退任にあたって

この度、2年間の任期を終え、退任することとなりました。着任した年度に策定されたUTokyo Compassの方針の下、サステイナブル社会デザインセンターの創設、八重洲アカデミックコモンズを活用させて頂いての社会人リカレントスクールの開設、柏の葉ライフサイエンス協議会の本学の参加など、新たな取組の礎となる仕組みや組織づくりを進めて参りましたが、これらの取組に加え、諸課題に対応できたことはすべて、総長、理事、副学長をはじめとする本部の方々のご支援やご助言と、副研究科長、研究科長補佐をはじめとする研究科の教職員や関係の方々のご尽力によるものです。心から感謝申し上げます。研究系長・副研究科長を含め、計8年間にわたり部局運営に携わらせて頂きました経験は私自身にとって貴重な財産ですが、こうした経験知を活かして今後も本学の教育研究や社会活動のお役に立てるよう努めて参りたいと思っております。感謝の意をお伝え申し上げますと共に、本学の益々の発展を祈念申し上げます。

山梨 裕司(前医科学研究所長)

――退任にあたって

2019年4月の就任以来、東京大学憲章が掲げる世界の公共性への奉仕と自由・自律・多様性の場を担うべき附置研究所に奉仕する者として、人類社会の発展と福祉への貢献を重視して参りました。それ故、パンデミックの様々な困難の中、国際共同利用・共同研究拠点をはじめ、世界の医科学研究に貢献すべき多様な事業が、医科研独自の研究開発事業と共に、深刻な停滞なく発展したことをとても嬉しく思います。また、附属病院を擁し、感染症を重視する研究所として、COVID-19に罹患された皆様の受入れとその治療・予防に資する研究開発を遅滞なく推進できたことや、新世代感染症センターやそのサポート機関の設置に貢献できたことを誇りに思います。申すまでもなく、全て、個人の自由と多様性を重んじる医科研構成員の使命感とご理解・ご協力、並びに関連部局、大学本部のご指導、ご支援の賜物と存じます。五神総長、藤井総長をはじめ、皆様のお導きに感謝申し上げます。

佐竹 健治(前地震研究所長)

――地震研究所長を退任するにあたって

平成31年4月から地震研究所長を務めてまいりましたが、この度、退任することになりました。2期4年間、たいへんお世話になりました。コロナ禍によって野外活動や海外との往来が困難になった中での研究所運営でしたが、在宅勤務やオンラインによる会議などを取り入れ、これらはポストコロナ時代の新しい生活方式として、定着しつつあります。

今年(2023年)は日本最悪の地震災害であった関東大震災からちょうど百年になります。関東大震災を契機に設置された地震研究所も2025年に百周年を迎えます。設立当初からの使命である、「地震・火山現象の科学的解明とそれらに起因する災害の軽減」へ向け、また「地震・火山科学の共同利用・共同研究拠点」として、引き続きご支援をよろしくお願いいたします。

高橋 昭雄(前東洋文化研究所長)

――退任にあたって

2020年4月に東洋文化研究所所長を拝命し、3年間の任期を終えて、退任することになりました。

就任以来、学外、学内、所内の諸会議はすべてオンラインでした。もともと対面での会議に欠席がちであった私にとって、これは大変好都合で、ほとんどの会議に出席することができました。ただし、総長、理事をはじめとする所外の教職員の皆様に、本郷キャンパスの片隅の小さな部局である東洋文化研究所とアジア研究の重要性をもっと知っていただくには、やはり諸会議や集まりごとの合間に対面でお話しすることが重要だったように思います。それでも、所内外の教職員の多大なご協力により、所の活動を維持することができました。東洋文化研究所は東京大学内だけでなく日本の、そして世界のアジア研究のハブとして漸進し続けます。今後ともご支援のほどどうぞよろしくお願いいたします。

末筆ながら、いろいろと至らない所長を支えてくださった皆様に感謝申し上げます。

森 初果(前物性研究所長)

――退任にあたって

2018年より2期5年の所長任期を終え、退任致しました。この3年はコロナ禍で誰にとっても環境が激変する「動」の時代だったと思いますが、私にとっても皆様の協力を得ながら駆け抜けた5年間でした。

特に、共同利用・共同研究「物性科学拠点」としての認定を受け、附属国際超強磁場科学研究施設におけるロードマップを踏まえた大型装置の整備、東北大震災後10年間停止していたJRR-3中性子の再稼働、放射光施設SPring-8東大アウトステーションから東北大内に建設されたナノテラスでの活動に向けて仙台分室の設置と移設等、拠点としての活動を進めることができました。さらに、横断型研究分野活動の推進、4月には女性教授と准教授の着任等、学術と研究者のダイバーシティは一歩前進し、今後の展開が楽しみです。

これらの活動に対して、多大なご支援を下さった総長、理事、事務等本部の皆様、苦労を共にした他部局長の皆様、共に歩んだ部局の教職員に心から感謝申し上げます。

河村 知彦(前大気海洋研究所長)

――大気海洋研究所長退任にあたって

2019年4月から2期4年間にわたり大気海洋研究所長を務め、このほど退任いたしました。

所長に就任する以前には、東日本大震災で壊滅的な被害を受けた大槌のセンター長としてセンターの復旧に奔走し、被災地にある研究機関としての役割を考える日々でしたが、この4年間は、それとは異なるスケールで研究所の運営に腐心し、地球環境問題が国際的に顕在化・重大化するなかでの大気海洋科学の役割やその将来像を考えるとともに、国内唯一の大気海洋科学の共同利用・共同研究拠点としての役割を強化するため、研究所の組織改編や新たな研究プロジェクトの立ち上げの旗振り役となりました。大気海洋科学による地域振興という新たなチャレンジも軌道に乗りつつあり、これからが楽しみです。

大槌のセンター長を拝命した2014年以降、研究の現場を離れて暗中模索の日々を過ごしてきましたが、振り返れば数多くの新たな貴重な経験を積むことができたと思います。この間、多くの皆様に本当にお世話になりました。ありがとうございました。

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