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白い表紙に青いグラデーションの模様

書籍名

解説 行政不服審査法関連三法

著者名

宇賀 克也

判型など

296ページ、A5判、並製

言語

日本語

発行年月日

2015年7月

ISBN コード

978-4-335-35616-2

出版社

弘文堂

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解説 行政不服審査法関連三法

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本書は、2014年に成立した行政不服審査法関連三法全体の解説書である。本書の第1編においては、全部改正された行政不服審査法について解説している。全部改正された行政不服審査法について、著者は、別の書物 (『Q&A 新しい行政不服審査法の解説』新日本法規、『行政不服審査法の逐条解説 (第2版)』有斐閣) を刊行しているので、それらに含まれていない内容を盛り込むように努めている。全部改正の経緯については、訴願法の制定と見直し、旧行政不服審査法による改善点、第1次臨時行政調査会による行政手続法草案、2008年の行政不服審査法全部改正案、行政救済制度検討チームによる検討、国会審議の内容も含めて、詳しく論じている。本書の第2編においては、「行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(以下「整備法」という) について、論じている。整備法については、詳細に解説したものは皆無であるので、できる限り詳しく解説している。全部改正された行政不服審査法について解説する類書にない本書の最大の特色は、整備法についての詳細な解説書でもあるという点にある。整備法について理解するためには、整備法立案の基本方針を理解することが必要なため、第2編の第1章において、その基本方針について解説している。整備法は、(1) 旧行政不服審査法の全部改正の内容と関わる整備部分、(2) 不服申立前置の見直し、に大別される。(1) は、不服申立て類型の一元化に伴う整備、不作為についての規定の整備、みなし上級行政庁、審理員の指名を要しない場合の整備、審理員制度の適用を前提とした特例、行政不服審査会等への諮問を要しない特例、裁決期間の法定、みなし棄却裁決等、多様な内容を含むが、それぞれについて、具体例を挙げて説明している。(2) については、[1] 見直しの背景、[2] 見直しの方針について説明した後に、[3] 見直しの結果について、できる限り具体的に解説している。本書の第3編においては、行政不服審査法関連三法の一環として成立した「行政手続法の一部を改正する法律」について解説している。この「行政手続法の一部を改正する法律」については、別著『行政手続三法の解説(第2次改訂版)』(学陽書房) で解説しているので、本書では、適用除外、行政指導の方式、行政指導の中止等の求め、処分等の求めについてのみならず、附則についても、より詳細に解説している。
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 教授 宇賀 克也 / 2018)

本の目次

第1編 行政不服審査法
 第1章 行政不服審査法全部改正の経緯
 第2章 総 則
 第3章 審査請求
 第4章 再調査の請求
 第5章 再審査請求
 第6章 行政不服審査会等
 第7章 補 則

第2編 行政不服審査法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律
 第1章 基本方針
 第2章 旧行政不服審査法の全部改正の内容と関わる整備部分
 第3章 不服申立前置の見直し

第3編 行政手続法の改正
 第1章 適用除外
 第2章 行政指導の方式
 第3章 行政指導の中止等の求め
 第4章 処分等の求め
 第5章 附  則
 

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