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本が積み重なった写真の表紙

書籍名

逐条解説 公文書等の管理に関する法律 (第3版)

著者名

宇賀 克也

判型など

408ページ、A5判

言語

日本語

発行年月日

2015年6月26日

ISBN コード

978-4-474-03994-0

出版社

第一法規

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逐条解説 公文書等の管理に関する法律

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本書の中心部分は、「公文書等の管理に関する法律」の逐条解説であるが、本書においては、それにとどまらず、同法の制定に至る経緯についての詳しい解説もなされている。すなわち、第1章において、従前の文書管理法制を概観し、諸外国における公文書管理法制の動向を説明した後、わが国における公文書管理法制の検討の経緯、「公文書等の管理に関する法律」制定の意義、同法の概要、今後の課題について述べている。「行政文書の管理に関するガイドライン」についても説明している。行政機関の長が定める行政文書管理規則は、「行政文書の管理に関するガイドライン」に準拠しているので、「行政文書の管理に関するガイドライン」の理解は、行政文書管理規則の理解にとって不可欠である。「行政文書の管理に関するガイドライン」は、これまで数回改正されており、本書では、第3版改訂時までの改正内容についても説明している。第1章を読んでいただくことにより、同法についての基本的知識が得られるように配慮した。第2章では、内閣提出の「公文書等の管理に関する法律案」の基礎になった「公文書等の管理の在り方に関する有識者会議」最終報告について概説している。この報告の内容を理解することが、同法の理解にとって重要であるからである。また、同法案は、国会審議において多数の修正がなされているので、修正内容について逐一解説している。第3章は、「公文書等の管理に関する法律」の逐条解説である。実際に公文書等の管理に携わる方を念頭に置いて、できる限り詳しく解説するように努めている。第4章では、同法の制定附則で改正された国立公文書館法等の関係法令の改正について説明している。第5章では、主として地方公共団体の職員を念頭に置いて、「公文書等の管理に関する法律」の制定を受けた地方公共団体の課題について論じている。本書の大きな特色は、公文書管理に関する条例についても詳細な説明を行っている点にある。「公文書等の管理に関する法律」に先駆けて制定されていた熊本県宇土市、北海道ニセコ町、大阪市の (公) 文書管理条例および同法制定後に公布された公文書管理条例について詳細に解説し、その特色を明らかにした後、地方公共団体が、公文書管理に関する条例を制定するに当たり、どのような点に配慮すべきかについて具体的に説明している。
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 教授 宇賀 克也 / 2018)

本の目次

第1章 公文書管理法と関係法令の制定経緯
第2章 有識者会議最終報告の検討と国会における修正
第3章 公文書管理法の逐条解説
第4章 関係法令の改正
第5章 地方公共団体の課題
 

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