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緑ベースのカラフルな表紙

書籍名

行政法 [第3版]

著者名

宇賀 克也

判型など

528ページ、A5判、並製

言語

日本語

発行年月日

2023年7月

ISBN コード

978-4-641-22847-4

出版社

有斐閣

出版社URL

書籍紹介ページ

学内図書館貸出状況(OPAC)

行政法 [第3版]

その他

第2版: 2018年3月発売 (更新: 2023年6月)

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本書は、行政法について、基礎から学ぶ際のテキストとして執筆したものである。著者は、『行政法概説I (第7版)』『行政法概説II (第7版)』『行政法概説III (第5版)』(有斐閣) を執筆しており、これらにおいても、行政法の初学者も念頭に置いた配慮を行ってきた。しかし、『行政法概説I (第7版)』『行政法概説II (第7版)』『行政法概説III (第5版)』を併せると、相当の分量になり、また、これらにおいては、応用的な内容も含まれているため、行政法の基礎を1冊で学べるテキストを執筆してほしいという要望を学生等から受けることが少なくなかった。本書においては、そのような要望に応えるため、行政法の全体について、コンパクトで分かりやすく解説することに最大限配慮した。すなわち、専門用語については、説明なしに使うことを避け、最初に解説を行うようにし、図表もできる限り用いるようにした。また、各章の冒頭にPointsとして要点をまとめ、本文中において、重要部分をゴシックで示すこととした。重要判例については、囲み記事にして、その内容を簡潔に解説した。なお、本書で引用している裁判例のうち、「行政判例百選I・II」(有斐閣)、「行政法判例集I・II」(有斐閣) に掲載されているものについては、これらの判例集における裁判例番号を付記しているので、より深くこれらの裁判例を理解するために、これらの判例集を参照していただきたい。また、法律の文献を読んでいるとき、条項のみが出てくると、その条文の内容が頭に浮かばず、その場で六法で確認できる状況にないとき、理解が不十分なまま読み進めることを余儀なくされることがあるようなので、テキストの理解に必要な条文は、当該頁の下欄に示すこととした。また、社会的に注目を集めた事件や身近な法律問題について、コラム欄で解説し、行政法が国民生活と密接な関係を有することを理解していただけるように心がけた。このように、コンパクトさと分かりやすさを追求する一方、理論的水準を落とさず、最新の情報を盛り込んだテキストとすることにも十分に留意した。「発展学習のために」の欄では、基礎から一歩を進んで、学習を発展させるために必要な事項について説明した。なお、本書では、基礎テキストとしての性格上、自説を示すことに謙抑的な立場をとり、学説の紹介についても、客観的観点からの執筆を行うように努めた。
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 教授 宇賀克也 / 2018)

本の目次

第1章  行政法の基礎理論
第2章 行政活動における法的仕組み
第3章 行政組織法総論
第4章 行政情報の収集・管理・利用
第5章 行政上の義務の実効性確保
第6章 行政の行為形式
第7章 行政手続
第8章 行政上の不服申立て
第9章 行政訴訟
第10章 国家補償法
 

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