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書籍名

日本立法資料全集 136 情報公開法制定資料 (1) [平成11年] 議事録編 I

著者名

塩野 宏 (監修)、小早川 光郎、宇賀 克也、藤原 静雄 (編著)

判型など

432ページ、菊判変

言語

日本語

発行年月日

2022年4月27日

ISBN コード

9784797241310

出版社

信山社

出版社URL

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学内図書館貸出状況(OPAC)

情報公開法制定資料 (1) [平成11年] 議事録編 I

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情報公開法は、すでに120か国以上で制定されており、民主主義国家における法的な標準装備といえる。わが国では、細川護熙内閣総理大臣の政治決断により、情報公開法制定の準備を進めることになり、行政改革委員会の行政情報公開部会で要綱案が作成されることになった。本書は、この行政情報公開部会の議事録とそこで配布された立案資料、参考資料を取りまとめたものであり、情報公開法の立法過程を調査研究するための不可欠かつ最も詳細な資料といえる。『情報公開法制定資料』は全14巻からなり、1巻から5巻までが議事録編、6巻から11巻までが立案資料編、12巻から14巻までが参考資料編である。第1巻の本書では、第1部で、わが国で情報公開法が制定されるまでの歴史を「知る権利」論の展開期、先進的自治体による情報公開条例の展開期、国における情報公開法制定期に分けて解説している。第2部では、行政情報公開部会が行ったヒアリングとそれを踏まえたフリートーキングについての議事録を掲載している。
 
情報公開法の立法過程を調査研究するために、行政情報公開部会の議事録および同部会に提出された立案資料、参考資料がきわめて重要であるのは、内閣提出の情報公開法案が、行政情報公開部会の要綱案に忠実に作成されているからであるのみならず、同要綱案を作成した同部会の審議が、きわめて濃密であったからである。同部会の議事録を読めば、同部会が、決して、同部会事務局主導のものではなく、同部会の委員が、各自の識見に基づき、活発に意見を述べ、時に鋭く意見が対立する場合はあったが、熟議の結果、合意が形成されていった過程を認識することができるであろう。
 

(紹介文執筆者: 法学政治学研究科・法学部 名誉教授 宇賀 克也 / 2023)

本の目次

◇はしがき / 小早川光郎
 
・収録資料の構成 (凡例)
 
◆第1部 解説
 
 行政機関情報公開法の成立―憲法付属法の誕生まで / 藤原靜雄
 
はじめに
一 知る権利論の展開期
二 自治体条例の展開期
三 情報公開法制定期
四 補 論
おわりに
 
◆第2部 情報公開法制定資料
 
 1 行政情報公開部会の審議
 (1) 情報公開法についての検討方針公表まで―フリートーキングとヒアリング
〔資料1〕第1回行政情報公開部会会議録(平成7年3月17日)
協議:官房長官挨拶,総務庁長官挨拶,委員長挨拶,部会長挨拶,部会長代理の指名,部会の運営
〔資料2〕第2回行政情報公開部会会議録(平成7年3月24日)
ヒアリング:総務庁
フリートーキング:今後の進め方
〔資料3〕第3回行政情報公開部会会議録(平成7年3月31日)
ヒアリング:東京都,神奈川県
〔資料4〕第4回行政情報公開部会会議録(平成7年4月7日)
ヒアリング:大阪府
報告:諸外国の情報公開法の概観(堀部政男専門委員)
〔資料5〕第5回行政情報公開部会会議録(平成7年4月14日)
報告:アメリカの情報自由法(宇賀克也東京大学教授),フランスの情報法制(多賀谷一照千葉大学教授)
〔資料6〕第6回行政情報公開部会会議録(平成7年4月21日)
フリートーキング:今後の進め方
〔資料7〕第7回行政情報公開部会会議録(平成7年5月12日)
報告:地方公共団体における情報公開制度の仕組みと運用(藤原静雄国学院大学助教授)
フリートーキング:情報公開制度の定義
〔資料8〕第8回行政情報公開部会会議録(平成7年5月19日)
フリートーキング:情報公開法の目的,開示請求権の法的性格,開示請求権者の範囲,開示請求の対象機関の範囲,開示対象情報の範囲
〔資料9〕第9回行政情報公開部会会議録(平成7年5月26日)
フリートーキング:不開示情報の範囲,既存の公開制度との関係
〔資料10〕第10回行政情報公開部会会議録(平成7年6月2日)
フリートーキング:不開示決定に対する救済制度,情報提供者等第三者保護のための制度,地方公共団体との関係,その他
〔資料11〕第11回行政情報公開部会審議概要(平成7年6月9日)
報告:情報公開判決の動向-非開示理由の推認を中心として(山田二郎東海大学教授)
ヒアリング:情報公開法制定推進会議
〔資料12〕第12回行政情報公開部会審議概要(平成7年6月16日)
ヒアリング:主婦連合会,日本新聞協会,日本労働組合総連合会
〔資料13〕第13回行政情報公開部会審議概要(平成7年6月23日)
ヒアリング:情報公開法を求める市民運動,全国消費者団体連絡会,通商産業省
〔資料14〕第14回行政情報公開部会審議概要(平成7年6月30日)
ヒアリング:文部省,科学技術庁
〔資料15〕第15回行政情報公開部会審議概要(平成7年7月7日)
ヒアリング:日本弁護士連合会,トヨタ自動車,東京電力
〔資料16〕第16回行政情報公開部会会議録(平成7年7月14日)
フリートーキング:論点整理,今後の進め方
〔資料17〕第17回行政情報公開部会会議録(平成7年9月8日)
フリートーキング:今後のスケジュール等,外国法及び条例における不開示情報
〔資料18〕第18回行政情報公開部会会議録(平成7年9月22日)
フリートーキング:検討事項その1(不開示情報,対象情報,対象機関)
〔資料19〕第19回行政情報公開部会会議録(平成7年9月29日)
フリートーキング:検討事項その1(不開示情報,対象情報,対象機関)
〔資料20〕第20回行政情報公開部会会議録(平成7年10月6日)
ヒアリング:建設省,厚生省
〔資料21〕第21回行政情報公開部会会議録(平成7年10月13日)
ヒアリング:環境庁,外務省
〔資料22〕第22回行政情報公開部会会議録(平成7年10月20日)
ヒアリング:防衛庁,法務省
〔資料23〕第23回行政情報公開部会会議録(平成7年10月27日)
ヒアリング:通商産業省,大蔵省
〔資料24〕第24回行政情報公開部会会議録(平成7年11月10日)
ヒアリング:警察庁
フリートーキング:検討事項その1(不開示情報,対象情報,対象機関)

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